河東泰之「セミナーの準備のしかたについて」は本当に正しいのか?at MATH
河東泰之「セミナーの準備のしかたについて」は本当に正しいのか? - 暇つぶし2ch661:132人目の素数さん
23/12/17 20:34:34.93 SULxEen0.net
つづき
私はこのような観点から4次元多様体を研究しています.したがって,中心的な興味の対象となるのは,4次元多様体の族,すなわち4次元多様体をファイバーとするファイバー束や,4次元多様体の微分同相群です.あえて仮想的な「究極の目標」を述べるとすれば,4次元多様体の族の分類ですが,上で書いたことから,これは全く現実的な目標ではありません:第一に,ファイバーである4次元多様体そのものの分類が現状不可能であり,第二に,それをファイバーとするファイバー束の分類はより複雑になることが想定されるからです.
この「究極の目標(4次元多様体の族の分類)」を,部分的にでも取り組める形にするために言い換えてみます.可微分多様体 X の族は BDiff(X) と書かれる空間(微分同相群の分類空間)で分類されます.この空間 BDiff(X) は,直感的には X と微分同相な多様体全てをパラメトライズしている空間で,「多様体のモジュライ空間」と呼ばれます.上で述べた「究極の目標」は,全ての4次元多様体たち X に対して,モジュライ空間 BDiff(X) のホモトピー型を決定するということと同値です.これは既に書いた通り事実上不可能ですが,この仮想的な目標に向かう過程とみなせる自然な問題は極めて豊富にあります.BDiff(X) の構造を,種々の不変量,例えば(コ)ホモロジー群やホモトピー群を通して調べることはその一例です.
さらに,これまでの4次元多様体論の発展を踏まえると,4次元多様体の分類理論で重要であった
(1) 位相的なカテゴリーと可微分カテゴリーの比較
(2) 4次元とその他の次元の比較
に対応することを,モジュライ空間・自己同型群のレベルで考えるのが妥当でしょう.すなわち,以下のような問題が自然に生じます:
(I) 微分同相群 Diff(X) と同相群 Homeo(X)の比較.あるいは BDiff(X) と BHomeo(X) の比較.
(II) 微分同相群 Diff(X) あるいはモジュライ空間 BDiff(X) の4次元とその他の次元との比較.
より具体的に,これらの比較問題を,(B)Diff(X) や (B)Homeo(X) の(コ)ホモロジー群やホモトピー群の観点から考察するのは自然な問題設定と言えるでしょう.
(引用終り)
以上


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