23/12/15 14:40:50.81 NkEr3tnM.net
つづき
これ以後、ゲーデルのようなもともとから哲学的な人を除き、歴史に名の遺すような偉大な数学者が、数学の基礎付いて発言する機会が激減したのである。
数学者たちは、ヒルベルトの失敗を教訓として、また、経験的には無矛盾で、自分たちの目的のためいは十分完全な、ZF集合論を数学の基礎とすることにしたのである。
そして、無矛盾性は信じること、あるいは、気にしないことにし、第一不完全性の方も、実際の数学の問題に影響を与えない限り気にしないことにしたのである。
その結果、数学者たちは、それまでの哲学的議論を止めてしまったのである。
つまり、不完全性定理の歴史的意義を問われれば、古代ギリシャのプラトン以来、2千数百年に渡って緊密な関係を持っていた数学と哲学の関係を、現在の様に疎遠なものにした最終的契機こそが、不完全性定理であったという結論に達したのである。
この話は、現在、執筆中の本(岩波新書)に期待して頂くことにして、不完全ながら、これで講義を終わる
(引用終り)
以上