23/12/10 11:13:38.28 hlVZhvmn.net
>>275
>ガロアの論文見たら、「ラグランジュ分解式」とは言ってないが
>実質的にはその式が省略なしでそのまま載ってますね。
>(θ+αθ_1+α^2_θ_2+…+α^{p-1}θ_{p-1})
>という式がそう。ここで、θ_jはθにガロア群(p次巡回群)
>の生成元を順に作用させた数たちであり
ありがとう
良い指摘ですね
1)まず、ガロアの論文のこの部分は、命題VII です
彌永「ガロアの時代 ガロアに数学 2」で、p247ですね
彌永は、この部分の注釈p272で
”しかし、p次の既約方程式f(X)=X^p-a=0の場合・・、
X^p-a=0が代数的に解けるのは明らかで、g(X)を考える必要はない”
”これに関連してガロアは”次数が(n-2)!の補助方程式”という語を用いているが
これが何を指すのかわからない
結局、この部分のガロアの証明は理解できなかったが、
事実は第2章で証明されている”
としている
2)倉田令二朗「ガロアを読む 第I論文研究」p175
後世よりの注で、”前節の終わりに記した程度の可解群の知識があれば
補題3が得られた時点でf=0が冪根で解けることが分かり、7^oは不要である”
注)この7^oが、上記「ラグランジュ分解式」を用いた部分
3)さらに、守屋美賀雄「現代数学の系譜11 アーベル ガロア 群と代数方程式」で
類似の指摘がある。p133(”次数が(n-2)!の補助方程式”の辺り)
”これ以降本節でガロアの述べていることは意味が明確でない・・”
・・方程式のガロア群の元が線形置換となるからF(x)=0は累乗根で解くことができる”
要するに、ガロアの第一論文のこの部分は、後世から見れば、線形群ないし線形置換となる
が言えた時点で、”前節の終わりに記した程度の可解群の知識があれば”(倉田)
f=0が冪根で解けることが分かるってこと
これは、天才ガロアをおとしめる意味では無く
あくまで、後世の学問的視点で見た批評である
ガロアは、可解群とかそもそも体の拡大に概念もないとき、手作りで彼は理論を作ったのです
後世の我々は、ピラミッドや奈良大仏や京都の五重塔を鑑賞するが如く見るのが良いのです
やっぱり、ガロア第I論文は一度は見ておくべき
なお、「ラグランジュ分解式」を神棚に祭り上げるようなことは、本末転倒と思う