23/07/05 12:12:47.40 5JfzFogr.net
>>393
つづき
数学的な立場からみたとき,無限次元のベクト
ル空間が出てくる自然な状況は関数を考えるとき
である.n 個の点からなる集合の上の任意の関数
を考えよう.このような関数は,n 個の値を並べ
て考えれば,n 次元のベクトルを考えているのと
同じことであり,関数の足し算,定数倍は,ベク
トルの足し算,定数倍に対応している.普通関数
を考えるときは,有限集合ではなく,実数全体や
区間のような無限集合を考えるので,その上の関
数たちは,無限個の数が並んだもの,すなわち無
限次元ベクトルにあたるというわけである.(関数
を考えるときは普通,連続性とか,積分について
よい性質を持つとかいった条件を考えるのだがそ
れは今はたいした問題ではない.) 関数というも
のはかなり昔から考えられてきたが,このように
「関数=無限次元ベクトル」という考え方が出てき
たのは比較的新しく,20 世紀前半のことである.
つづく