23/04/28 12:19:21.80 ttlBhqNj.net
取り尽くし法はアルキメデスが放物線の切片の面積を求めた方法としても有名
ですが 、要は微積分法の走りであり、求めたい数値を上下からうまく近似
して「はさみうちの原理」で求める方法です。三角錐の場合、原論では二つの角柱と
二つの三角錐への分割が用いられ、角柱部分が角錐部分以上であ
ることをふまえて取り尽くし法が適用されます。
図形の分割が体積の公式を導く手段として有効であることは、洋の東西を問わ
ず古くから知られており、中国の「九章算術」にも、角錐の形を限ってではあり
ますが似た記述があることが知られています 。
もっとも、体積比が相似比の 3 乗であることを認めてしまえば、三角錐の体積は
次のように簡単に求まります2。
三角錐 H-ABΓ の高さを h、底面積を S、体積を V とすれば
角柱 OMN-ΛΞΓ の体積=
S/4 ×h/2 =Sh/8
角柱 OKA-MBΞ の体積 =
S/2 ×h/2 ÷ 2 = Sh/8
三角錐 H-OMN, O-AKΛ の体積 =
V/8 ⇒
V =Sh/8 +Sh/8 +V/8 × 2 ⇒ V =Sh/3.
しかし如何に初等的とはいえ、このような代数的計算による方法は古代には見
られないようです。