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未来に生きる学問的な受験勉強を 藤田宏
1.数学は学問的な教科である
小学校に続く中等教育(中学・高校の6年間:戦前の制度では旧制中学の5年間)の教科の中で、「数学は、最も学問的な教科であるとみなされてきた。
その心構えは、戦後の復興期頃までは生徒たちにも受け入れられていた。
筆者が経験した戦前では、小学校だけが義務教育であった。そのせいで、
日常生活に必要な素養のための算数と学理を系統的に学ぶ数学との違いを
教師だけでなく生徒もよく心得ていた。
現在、様子が変わっている。(中略)
そのギャップに高校生が越えやすい橋を架ける学習法を提案したい。
それは、学問的な学習法の開眼を促すものであるが、まずは、
日常的な場面での「解る」の反省から始めよう。
2.そもそも"わかる(解る)"とは
略
3.概念の進化に沿う諸々の解法
略
4.『別解』を求め、類題を創出することは、概念の進化による
学力向上の王道である。
数学の学力は、誠実な学びと自ら問いを発する積極性によって進歩するので
ある。このことは、受験勉強の域を超えて、皆さんの大学・大学院での進歩、
さらには世に出てからの創造的な成功をもたらすに違いありません。
(ふじた ひろし、東京大学名誉教授)