ガロア第一論文と乗数イデアル他関連資料スレ2at MATH
ガロア第一論文と乗数イデアル他関連資料スレ2 - 暇つぶし2ch73:132人目の素数さん
23/03/07 08:21:47.37 aNdPDvr9.net
>>72
つづく

ピーター・サルナクはシンポジムの初日に私の名札を見て「松島の友人か」と訊ね、昔の松島さんとの共同研究の延長上にある最近の結果を詳しく話してくれた。これは私にとってこのシンポジウムがもたらした思いがけぬ数学上の収穫であった。

これからの時代にあの谷口さんの哲学、その抱かれた高い理想、日本の未来への思いはどうなるだろう。これを考える前に谷口哲学の起源を探ろう。すでに述べたように、谷口氏と数学の縁は旧制第三高等学校、三高、で後に数学者となる秋月康夫、 岡潔の二人と同窒 ったことによる。良き時代の旧制高校三年間に生徒間に生まれる友情と連帯感はそこでの少人数教育の故であろう、終生続いている。谷口さんは繰り返し、谷口シンポジウムを考案し、多くの偉い学者に喜ばれるようになったのは、秋月のお陰であると作っていた。また、岡潔の奇行を楽しげに話されたことも再三であった。谷口さんの哲学はこの三高時代に培われたものと私は思う。旧制高校に入れば大学入学は保証されていたので、生徒たちは青春を謳歌して、あえて難解な哲学書を読み耽り人と形而上学的な議論を弄んでいた。

その中で人生を考え、将来への夢を描く。
私もあの戦争末期に三高に学んで、厳しい時局の中でなお自由を唱え、反戦を口にする先輩 いて驚いたが、そのうちに私自身がいつしか自由を憧れるようになっていた。
兎も角谷口さんはこのような三高生活の中で、自らの人生哲学を確立し、後年それが谷口シンポジウムを生んだと私は確信している。
なおまた、谷口シンポジウムを特徴付ける少人数で起居をともにし、お互いの間に友情を育くもうという発想は旧制高校の寮生活からヒントを得られたに違いない。
人は誰でも数日間起居を共にすれば、否応なしにお互いをよく知ることになるが、谷口さんは寮生活の経験からこのことをよくご承知で、寮方式を谷口シンポジウムに適用して国際間の深い相互理解を図ろうと考えられたのであろうと思う。現代のこの忙しい日本の社会で谷口さんの哲学はどれほど理解されるだろう。

つづき


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch