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>>636
森政稔 「アナーキズム」(作品社)
第三章 M.シュティルナー p141
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上記の文脈において、
エゴイズムの意味が次第に通常の用法からずれていき、
あるいは多義的になっていくのがわかる。
シュティルナーの言う「不自由なエゴイズム」には
通常エゴイズムとは呼ばれないもの、
たとえば愛国心やその他集団への忠誠を誓う心性
が含まれる
人はこれらの集団的エゴイズムのなかで
自分のエゴイズム(集団に属する誇りや利益)を
密かに満足させることができる。
しかしおそらくそれだけでなく、
通常エゴイズムだとされている
金儲けや所有欲、競争といった
ブルジョア的価値観も含まれ得る。
シュティルナーによれば、それらは
自己の欲求の満足を断念させ、自己目的になるかぎり、
「聖なるもの」の「とりつき」にほかならないからである。
競争は自己性に反するのみならず、
国家権力に依存し現実には自由でもありえないとされる。