23/03/18 19:06:08.40 M09HE8oG.net
>>530
つづき
しかし,再生核の一般理論は美しい理論であるにもかかわらずそれがなぜ重要であるかの明確な
根拠が見出されず,抽象的な理論として永い間小さな存在であったと思います.シュワルツの大論文
は現在でもなお無名の存在であると言えます.
筆者が1983年に出版した論文[19]で,再生核の理論と線形写像の考えを結び付け,再生核の理論
がベルグマン核やゼゲー核の理論に限られたものではなく,ヒルベルト空間の考えと同じくらいに数
学において基本的で,普遍的であるとの明確な位置づけを与えたと思っています.ここでは1983年
以降,線形写像と再生核の理論を結び付けることによって発展してきた研究成果を主体に,さらにで
きるだけ広い視点から再生核の理論について述べたいと思います.
P75
ノルム(13)に関して,次のbestpossibleな不等式が成り立ち,一見奇妙なノルム(13)の自然性が現れている:
式略
この不等式を導くのは簡単ではなく,証明にはバーディ核と対応する核の積の再生核空間の構造と
1価な積分を持つベルグマン空間の構造の関係を詳しく調べる必要がある([20]).
[20]S.Saitoh.Theory of Reproducing Kernels and its Applications. Pitman Research Notes in Mathematics Series, 189 (1988), Longman Scientific & Technical, UK.
(引用終り)
以上