23/03/13 23:46:54.11 UeELXD7y.net
>>364
つづき
非結合的多元体
多元体において結合律の成立を課さずに、普通はより弱い結合性の条件(交代律や冪結合律など)を課したものを考えることもある。体上の多元環も参照。
実数体上で有限次元の可換単位的多元体は同型を除いてちょうど二つだけ存在する(それは実数体と複素数体で、いずれも結合的である)。
実数体上二次元の可換で非結合的な多元体が得られるが、これは単位元を持たない。このほかにも可換非結合的な有限次元実多元体は無数に存在するが、しかしそれらは全て実二次元である。
実は、任意の有限次元可換実多元体の次元は 1 か 2 のいずれかであることが1940年に証明されており、ハインツ・ホップに因んでホップの定理と呼ばれる。証明には位相幾何学的な方法が用いられた。後に代数幾何学を用いた別証明が発見されているけれども、直接的な代数的証明というものは知られていない。代数学の基本定理をホップの定理の系として得ることもできる。
可換性の仮定を落とすことで、ホップは自身の結果を拡張し「任意の有限次元実多元体の次元は2の冪でなければならない」ということを示した。
さらに後に示された事実として、任意の有限次元実多元体の次元は 1, 2, 4, 8 のいずれかでなければならないことが分かっている。
この事実は、ミシェル・ケルヴェアとジョン・ミルナーによってそれぞれ独立に1958年に証明された。これは代数的位相幾何学、特に K-理論を用いるものである。
qq~ が平方数の和に等しいという等式が成立する次元が 1, 2, 4, 8 に限られることは、アドルフ・フルヴィッツによって、1898年には既に示されていた[1](ノルム多元環に関するフルヴィッツの定理も参照せよ)。
つづく