ガロア第一論文と乗数イデアル他関連資料スレ2at MATH
ガロア第一論文と乗数イデアル他関連資料スレ2 - 暇つぶし2ch310:132人目の素数さん
23/03/11 10:06:20.86 8g4xRswg.net
>>309
つづき
以下は本音の部分で、本書の復刻に懐疑的であった心境が変化していった事を述べたものです。
本書の復刻版が出版されると知ったとき、「歴史的な名著であるのは確かだけれども、既に教育的な役割を終えている、この本をあえて復刊する意味は何なのか?」と非常に疑問に思った。多変数関数論の現代的な入門書では、層とコホモロジーという極めて有用な道具をまず準備し、それを使ってこの理論の精華というべき幾つか(グラウエルトとレンメルトによると、基本的なものは四つ)の「連接性定理」を確立し、その応用を解説するのが一つの標準コースとされている。この観点からみると、構造層の連接性は証明されているが、解析的集合の幾何学的イデアル層の連接性や解析空間の正規化層の連接性に殆ど言及していない本書は内容が不足しており、多変数関数論の標準的なテキストとしてお薦めできない事になる。
一方、連接層とそのコホモロジー、スタイン多様体、さらにグラウエルトによる(連接層のコホモロジー)有限性定理を用いるレヴィ問題の肯定的解決の別証明、などを和書で最初に詳しく紹介した本書が長年に渡り日本の数学教育に果たした貢献の大きさは測り知れない、とこの分野の研究者や愛好家の多くの方々が認められるのではないかという思いもあった。私見ではあるが、本書の最大の魅力は1960年の出版当時に一松先生が本書の中で示された先見性の素晴らしさにあるのではないかと思っている。 岡先生は、層とコホモロジーを使用することに対し非常に否定的であったことはよく知られているが、層とコホモロジーが非常に便利な言語であり、また有用なツールであることを否定する人は今日では恐らく皆無ではなかろうか。
(引用終り)
以上


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