23/06/17 22:34:46.59 RkueqThP.net
>>631
つづく
シュレーディンガーは、EPR論文を補足する論文の中で、観測されない限り重ね合わせであるとして記述すると、巨視系の状態が"状態見分けの原理"(巨視的な観測をすれば区別できる巨視系の諸状態は、観測の有無にかかわらず区別できるとする原理)を満たさないことを示す具体例として、この思考実験を用いた[1]。
前史・背景
詳細は「決定論」および「量子論#前期量子論」を参照
猫の生死に関する思考実験
猫と放射性元素のある密閉した鋼鉄の箱の中で、放射性元素の1時間あたりの原子の放射性崩壊確率を50%とし、ガイガー計数管が原子崩壊を検知すると電気的に猫が殺される仕掛けにすると、1時間経過時点における原子の状態を表す関数は
|原子の状態|=|放射線を放出した|+|放射線を放出していない|
という二つの状態の50%ずつの重ね合わせによって表される。その結果、猫の生死は、
|箱の中の状態|=|(放射線が放出されたので)猫が死んでいる|+|(放射線が放出されていないので)猫は生きている|
という50%ずつの重ね合わせの状態になり、箱の中では箱を開けてそれを確認するまで猫が死んでいる状態と生きている状態の重ね合わせになる。もしもこれが現実を記述しているとすれば、「巨視的な観測をする場合には、明確に区別して認識される巨視的な系の諸状態は、観測がされていてもいなくても区別される」という“状態見分けの原理”と矛盾する。シュレーディンガーはこのことをもって、量子力学的記述は未完成であると主張した[1]。
(引用終り)
以上