23/01/24 12:18:24.27 7EkKRL+N.net
>>7
つづき
(1) 方程式論
ガウスの円周等分方程式論(とそこで述べられたレムニスケートの等分についての註)を起点とする流れ。
アーベルは楕円関数を研究しレムニスケート等分の理論を得て、一般化して、虚数乗法、さらにアーベル方程式の概念を得た(アーベル方程式は代数的に解ける方程式の一種で、円周等分方程式やレムニスケートの等分方程式もアーベル方程式。方程式が代数的に解けるための一般的な条件はその後ガロアによって得られた)。
(2) 代数的整数論
略
(3) 相互法則と楕円関数
略
(4) クロネッカー
クロネッカーは係数の範囲を設定した上でアーベル方程式を構成するという問題を考える。
整数係数のアーベル方程式の根は円周等分方程式の根の有理式で書ける(=有理数体のアーベル拡大は円分体の部分体である)(クロネッカー・ヴェーバーの定理)。
これは、整数係数のアーベル方程式の根は指数関数の特殊値exp(2πi/n)
の有理式で表すことができるということでもある。さらに、ガウス整数を係数とするアーベル方程式の場合は、レムニスケートの等分方程式が同様の役割を果たすと主張した。
これによって、円周等分方程式やレムニスケートの等分の理論で平方剰余の相互法則や四次剰余の相互法則が証明される理由も説明される(平方剰余の法則は有理数体のアーベル拡大に関わり、四次剰余の法則はガウス数体のアーベル拡大に関わるから)。
そして「クロネッカーの青春の夢」と呼ばれる次の予想をおこなった。
虚二次体を係数とするアーベル方程式の根は、虚数乗法を持つ楕円関数の変換方程式の根の有理式で書ける(→虚二次体のアーベル拡大は、1の巾根、楕円関数の等分値、特異母数の添加で得られる)。
(引用終り)
以上