22/11/01 00:08:47.98 sIOgpcGr.net
その前に、見落としがちな注意点を1つ。
(X,F,ν)を有限測度空間とする。ν_* を、ν から作られる内測度とする。
このとき、任意の A⊂B⊂X に対して ν_*(A)≦ν_*(B) が成り立つ。
内測度なんだから逆転して ν_*(A)≧ν_*(B) だろうと錯覚してしまうが、
そうではなく、ν_*(A)≦ν_*(B) が成り立つ。実際、内測度に関する
・ A,B⊂X が互いに素ならば、ν_*(A∪B)≧ν_*(A)+ν_*(B)
という性質(こちらは確かに逆転している)を使えば、A⊂B⊂X のとき、
B=A∪(B-A) と分解できて、AとB-Aは互いに素なので、
ν_*(B)=ν_*(A∪(B-A))≧ν_*(A)+ν_*(B-A)≧ν_*(A)
となり、確かに ν_*(A)≦ν_*(B) である。なぜこちらは逆転しないのかというと、
A⊂B がともに可測のときには、ν_*(A)=ν(A), ν_*(B)=ν(B) であり、
かつ ν(A)≦ν(B) なのだから、このように考えれば、逆転するわけがないと分かる。
内測度なんて滅多に使わないので、一応補足しておいた。