22/12/14 10:19:28.54 XvLBbeMm.net
>>731
つづき
ところが、角速度を取り入れると「符号問題」という深刻な困難によって摂動計算に頼らない理論解析が複雑になってしまい、角速度の効果について複数のグループから矛盾する計算結果が報告されるなど、理解が不十分な状況となっていたとする。
原子核衝突実験で生成されるような高速回転した物質の性質を数値計算によって解き明かすためには、符号問題を回避するために一旦、角速度を虚数にした仮想世界を経由する必要があるという。たとえば、通常の世界では時間と空間は区別されているが、時間を虚数に取った仮想世界では虚数時間はあたかも空間の一部のように見なすことが可能だ。そこで研究チームは今回、虚数角速度が虚数時間と同じように空間の性質と見なせることを指摘し、十分な高温状態に対して信頼できる理論計算を実行することにしたとする。
これまで、高温高密度のクォーク・グルーオン物質から閉じ込めの性質を調べるには、相転移を超えないと閉じ込め相にアクセスできないことから、従来の摂動計算には限界があった。しかし今回の研究によって、虚数角速度を持つ仮想世界を経由することで、クォークとグルーオンの閉じ込め現象について、信頼性の高い摂動計算のできる高温側から、未解決問題となっている低温側へと相転移なくアクセスできる可能性が示され、閉じ込め機構の解明に向けてまったく新しい研究の可能性が開拓されたとする。
(引用終り)
以上