22/12/11 09:18:29.16 KrqrphNa.net
>>597
再録
>>589
>2項方程式 x^5=a (a^(1/5)は無理数)で、
>ある無理数a^(1/5)を、Q(a1,a2,a3,a4,a5)に含んでいても
>それで、なんの不思議もないでしょ
2項方程式のガロア群は位数5の巡回群ではなくて位数20の群ですね
ガロア群が位数5の巡回群になる方程式もあります
そのような方程式の根は全て実根ですが、
根を求める式には1の5乗根は現れます
しかし、1の5乗根は最小分解体に現れません
どれか1つ根が求まれば、そこから有理関数である巡回関数で
他の4つの根が生成されるので、Qに根の1つを追加するだけで
最小分解体(もちろんガロア拡大体)ができますが、
どの根も実根なので、1以外の1の5乗根はどの4つとも入りません
(引用終り)
1)まず、方程式の可解性を論じるとき、二つの立場がある
簡単に基礎体Qで考える
a)基礎体Qをそのまま使う
b)基礎体Qに1のm乗根を含んだ体を使う
2)実際、彌永本 ガロアの時代・ガロアの数学 第二部 P208は、この立場です
つまり「定理 nを自然数 n!=m ζを1の原始m乗根ζmとする。体kがζを含めば
k[X]∋f(X),degf=n,f(X)の最小分解体をKとするとき
f(X)が可解であるための十分条件はG(K/k)が可解であることである」
とある。G(K/k)はガロア群で、必要十分条件だが、証明の都合で十分条件としたとある
3)幾つかの本では、上記1)のどちらの立場かを、はっきりしていないことがあるが
方程式の可解性を論じるとき
b)の基礎体Qに1のm乗根を含んだ体を使う
の立場が明解なのです
例えば、X^2=2 だとQ(√2)で2次だが、X^2=-2 だとQ(√2,i)と4次になる
例えば、X^3=2 だとQ(2^(1/3),ω)で6次だが、一般3次式のガロア群も対称群S3で6次と、しばしば言われるw
b)の基礎体Qに1のm乗根を含んだ体を使う立場だと
(この場合、上記2)彌永本の基礎体を”Qζ”と書くと)
X^2=-a では Qζ(√a)で2次で、X^3=a でもQζ(a^(1/3))で3次となる
(√a,a^(1/3)はQζに含まれない数とする)
つづく