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>>230 補足
絶対空間という用語の方が圧倒的に有名である
カントの哲学で論じられているからである(下記)
(参考)
URLリンク(www.jstage.jst.go.jp)
Vol.13No.4科学基礎論研究
カントと絶対空間
1768年論文をめぐって
中島義道 東京大学大学院 修士課程 修了
カントは1768年の論文『空間における方位の第1根拠
について』において,ニュートンの絶対空間を証明しよ
うとしており,それよりわずか2年後に書かれた1770
年の論文r可感界と可想界との形式と原理』において,
ニュートンの絶対空間を否定している。この間の急激
な変化は,諸家によってこれまで様々に論じられてきた
が,結局論点は1768年論文のうちに1770年論文の萌芽が
どの程度認められるかにかかっている。これを色濃く認
める.4.RiehlやH.Cohen等は,1768年論文は直接1770
年論文に発展したと主張しうるわけであるが,これを認
めないE.CbssirerやB.Erdmanm等は,この2年間
のカントの生活歴にライプニッツ哲学の再吸収という事
件を想定する。しかし後者はあくまで臆測の域を出ない
ものである。しかも1768年論文そのものの解釈とこの臆
測とは一応別のものであり,この臆測によって逆に1768
年論文のうちに1770年論文の萌芽が全く認められなくな
るわけではない。
*この問題に関する手際よい要約としては,理想社刊
『カント全集第3巻』の解説を参照。かのM.Jammer
の名著Conceptsofspaceはカントに触れていな
い。またKmtstntmおよびIsisには,この問題
を扱った論文は皆無である。
本稿では,A.Rtiehl等の立場を継承し,特に1768年
論文のうちに見られる身体の思想が,1770年論文におけ
る「主観の形式」へとそのまま変身しうるものであった
ことを示す。「絶対空間」と身体との極限的な妥協点が
「主観の形式」であり,これこそがカントによるニュート
ン空間論の独自の摂取に他ならないのではあるまいか。
(引用終り)
以上