22/01/05 11:45:32.32 DVlYnkET.net
吸血鬼退治のパラドックス
中世ヨーロッパの ある村で次々と若い女性が吸血鬼に襲われた。
村人達は吸血鬼の屋敷、さらに、この屋敷の地下室には 一列に並んだ6つの棺があり、
A B C D E F
吸血鬼は、昼間は これらの棺の内のひとつに眠っていることも突き止めた。
村人達は 集会を開き、この吸血鬼を退治することにした。
退治方法は昼間の内に屋敷の地下室に侵入し、ある呪文を唱えながら棺の中の吸血鬼の胸に杭を打ち込むというものである。
棺は金属製の頑丈なもので、道具を使っても開けるのにかなりの時間がかかる(吸血鬼は棺に開いた小さな穴からコウモリの姿で出入りしているらしい)。
ただし、どの棺に吸血鬼が眠っているか事前には分からないため、吸血鬼を見つけるまで棺を順次開けていく必要がある。
「では、これをやってくれるものは?」
村長の呼びかけに、皆が尻込みする中、ジョンとトムだけが名乗りをあげた。
しかし、二人は大変仲が悪く、二人とも、協力していっしょに作業するのは絶対に厭だと言う。
しかも、ジョンは
手順1:A → B → C → D → E → F
で作業すると言って聞かない。
一方、トムは
手順2:B → C → D → E → F → A
で作業すると言って譲らない。
当日は余裕をもって日が昇ったらすぐに作業を開始するにしても、できるだけリスクは減らしたい。
村長は考えた。
「ひとつの棺を開けるのに要する時間は、ジョンとトム、二人とも同じと仮定する。
もし、Aに吸血鬼がいた場合、ジョンの方がトムより早く終わる。
だが、もし B、C、D、E。Fのどれかに吸血鬼がいた場合は、逆にトムの方が早く終わる…
つまり、「ライバルより早く終わる確率」は1:5で ジョン(手順1)よりトム(手順2)の方が5倍も高い!」
という訳で、村長はトム(手順2)を採用することにしたが、これははたして理にかなっているのだろうか?