21/09/28 18:40:01.44 JREy5YEX.net
>>827
つづき
調和バンドルというものが私の主要な研究対
象です。これはある非線形な楕円型偏微分方程
式の解です。非コンパクト空間上での調和バン
ドルの解析、特に無限遠における振舞い(漸近
挙動)が、パラボリック構造・ストークス構造・
極限混合ツイスター構造によってどのように制
御されるかを、私は詳しく調べました。その結
果を用いて射影多様体上の有理型平坦バンドル
と有理型ヒッグスバンドルと調和バンドルの間
の対応を確立しました。また有理型平坦バンド
ルの「変わり目点」という非常に悪い特異点を、
双有理射によって解消できることを示し、上で
述べた対応も用いることで半単純有理型平坦バ
ンドルと調和バンドルの間の対応を得ました。
これらの知見に基づいて、純ツイスター D- 加
群と調和バンドルの間の対応を確立し、純ツイ
スター D- 加群が大域解析学的な性質と代数解
析学的な性質をあわせ持つものであることを示
しました。そして純ツイスター D- 加群と半単
純ホロノミック D- 加群の対応を確立すること
で、半単純性が関手性を持つこと、すなわち柏
原の予想を解決できたのでした。
※本内容は、受賞記念講演を要約したものです。
(引用終り)
以上