21/06/18 20:57:15.02 ZHLrkwL7.net
>>347
つづき
正則性公理は,集合の要素として,それ以上要素を持たない「もの」としてΦ以外に 許すとき(そのような「もの」をアトム(atom)と言ったり,Urelementというが),
∃ y∈x (x ∩ y = Φ)
の形では言うことができない.例えば,a をアトムとして,「もの」
a
の中には要素がないので,上のような y∈a の存在は言えない.小さいことを 言うようだが,
set(x) → ∃ y∈x (x ∩ y = Φ)
のように x が集合ならという条件 set(x) を付けることになる.また,その時の y は当然 x の 中の要素の最小値ということではなくなる.それは例えば,もうひとつアトム b をとって,x={a, b} としてみればよい. a と b の間に ∈ 関係はないのであるから,どちらが最小ということもない.ということで,正則性公理の上の形は, ZFC のようにすべてが Φ に還元される集合論とフォン・ノイマン順序数を順序の 基準に取っているとき役に立つことになる.
基礎の公理/正則公理の表現方法としては,もう少し素直に,∈の無限降下列が 存在しないという表現方法もあるようだ.ただし,無限降下列の定義も難しいので フォン・ノイマンのこの形の正則性公理は便利かつコンパクトな表現であるということは 言えると思う.
(引用終り)
以上