21/06/17 08:01:45.75 L7j4dqHM.net
>>141
つづき
では、ブルバキは何をしたのでしょうか.20世紀に入るまでの数学の証明は、全て文章で説明されていたのだそうです.それを、ブルバキは、記号だけで書くスタイル、つまり、一般的な表現ができるようにしたわけです.そういうことが、『夢中になる!江戸の数学』(集英社文庫)という本に書いてありました.
ところで、ブルバキは、なぜ幾何学を排斥したのでしょうか.ギリシャ的な理論数学というのは、数計算とは全く無縁なのですね.これがある意味では弱点となります.図形という表現を用いる以上、図形では表せない対象、つまり、非常に複雑なものまでは図形で扱いきれないわけです.村田全さんという数学者が、『日本の数学・西洋の数学』(ちくま学芸文庫)の中で、そういうようなことを書いていらっしゃいます.
以上のようなことを、今日の準備のために読みましたので、ご披露させていただきました.では、細矢さんに、今日のテーマを選ばれた理由なども含めて、お話していただきます.初めての方もいらっしゃいますので、簡単な自己紹介からお願いいたします.
(拍手)
細矢: 三井さんは、ブルバキの側に立つと言ったけれど、今紹介された和算の話は、正に、ブルバキが軽蔑していることですね.図を描かなければ、円周率は出せませんから、ブルバキは円周率なんて要らないのではないかと思います.
(引用終り)
以上