純粋・応用数学(含むガロア理論)8at MATH
純粋・応用数学(含むガロア理論)8 - 暇つぶし2ch93:現代数学の系譜 雑談
21/05/16 22:51:59.69 vPH1Cr+L.net
>>89
つづき
パースは,カントールの順序数を概ね好意的に解釈するが,それは,カントール自身が確信していたように,このような自然数の構造的延長が,ある意味では自然だからである.
例えば 0 と 1とを両端とする,通常の実数直線の 0 を含む正の部分をみて,{1-10^-n} なる数列,即ち,0,0.9,0.99,0.999,... と展開する数列をこの数直線上に取れば,1 という値に至る前に可算無限の項が続くことになる.
この数列の果てに数 1 があることを私たちは(例えば 0.9・・= 1 という形で)難なく受け入れているから,可算無限の数列のむこうになお数があるというのは,小さな縮尺のなかで見ればむしろ当然のことでもある.
延々と続くこれら無限の項に順序数を振っていくと,カントールのω,さらに先の ω+ 1,遙か彼方のω+ω = ω・2 といった順序数を数え上げることになるが,順序型を数直線上へ投影してみると,超限順序数は意外に自然な直観に基づいているとも言える.
だが,このようなことは事後的にみれば自然に見えるだけで,超限順序数の導入がカントールという天才による革新的一歩であったことも明白な事実であり,カントールによる数の概念の革新の意義にパースは直ちに気付いている.順序型を通じて,数というものが本質的に構造である
ということ,それゆえ超限数もまた無限の構造であるという観念が,カントールにおいて具体的に示されただけでなく,カントールを通じて 19 世紀数学は非アルキメデス的変域に鮮烈に晒される機会をもった.
それに触発されたパースの実数論の超準モデルに対する直観が,モデル論的論理学の発展史に先立って開花しており,この文脈のなかで見られたときに,パースはより明確にモデル論的論理学の源流に立つとは言えまいか,というのが本節の論点である 15.
4. 数学的創造性の論理
超準解析によって無限小を再び解析学のなかへ取り入れたロビンソンは,超準解析が「未来の解析学(analysis of the future)」となると信じる理由がある,というゲーデルの言葉を有名にしたが,実際ゲーデルは,超準解析
対して肯定的な関心を示している(Godel [10], 311, 307-310).
洗練された形ではないとはいえ,60 年以上前のパースが超準解析的な視点に立って解析学を見据えていたことはいささか驚きに値する
(引用終り)
以上


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