ガロア第一論文及びその関連の資料スレat MATH
ガロア第一論文及びその関連の資料スレ - 暇つぶし2ch212:132人目の素数さん
23/02/04 21:32:58.48 FXdrMrMW.net
>>198
つづき
さて「必ずしも可換でない体」のことを何と呼ぼう? 桂では「斜体」と呼んでいるが,この用語を
使う気にはなれなかった. それは英語にしたとき,「ヴェーダーバーンの定理」の状況
では division ring, division algebra が完全に定着しているから. 「斜体」を英語にし
たら「skew field」だろうが,ヴェーダーバーンの定理とかブラウアー群などについて
語るとき skew field という用語を使うことはないだろう. これが英語で division ring
なら「可除環」がよいだろうと思った. 永田の可換体論では体,可換体という用語だ
が,今となっては「体」とは日本語ではほとんどの場合可換体を意味するようになっ
ていると思うので,可換な体を最初から体と呼び,必ずしも可換でない体を可除環と
呼ぶことにした.
3. 「商体」か「分数体」か?
Q は Z の「商体」だろうか「分数体」だろうか? 論理的には「分数体」にすべき
ということは理解できる. しかし現時点では日本では「商体」と呼ぶ人が圧倒的に多
いのではないだろうか? さて,なぜ「分数体」と呼ぶのが論理的なのか? それはこ
れを商体といったら A/I (I はイデアル) は剰余環と呼ぶことになる. それなら G/N
(N は正規部分群) は剰余群ということになる. それでは集合 X を同値関係で割った
X/~ は? これは「商空間」. だから「剰余群,剰余環,商体」とすると,本当はこ
こで破綻する. だから論理的には「商空間,商群,商環,分数体」と呼ぶのが正解で
「松阪代数系入門」でもそう呼んでいる. でもあえて「商体」を使うことにした. それ
は逆写像と逆像におなじ f^-1 という記号を使って論理的にはおかしいけれど習慣と
なってしまってどうしようもないというように,論理的に正しくなくてもそれが定着
しているならそれにしたがったほうがよいと判断したから.
用語は難しい. きっとすべての人を満足させることはできないだろう.
(引用終り)
以上


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