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>>651
手元の本を見ると、1997年版でした
新しい方が、訳が熟れているだろうし、誤植も訂正されていると思われる
コックスのガロア本も見たが、主に20面体群についての解説でしたね
https://アマゾン
ガロワ理論(下) Tankobon Softcover ? September 15, 2010
by デイヴィッド・A. コックス (著), 梶原 健 (翻訳)
書評
susumukuni
ガロア理論の素敵な応用を学習できる書
Reviewed in Japan on December 2, 2010
Verified Purchase
ガロア理論の「応用」を述べた第3部と「関連する話題」を述べた第4部からなる。本文だけで380ページ近くあり、読み切るにはかなりの時間が必要であるが、報いられる処も非常に多いと思う。
第3部では、代数方程式のべき根による可解性、円分拡大、作図可能数(定規とコンパスによる作図)などの良く知られた話題が非常に詳しく解説されている。アルティンの『ガロア理論入門』など標準的な入門書の解説と比較されると面白いと思う。また、円分体の部分体を周期によって解明したガウスの業績の紹介も興味深く、ガウスの驚くべき天才を再認識させられる。
第4部は抜群に面白い。私達は「ガロア拡大はその基礎体上のある分離多項式の最小分解体である」という美しい定理を知っているが、次の二つの問を考えてみて頂きたい。分離多項式の根が予め分かっていない場合、どうすれば分解体を構成できるのか?既約なn次分離多項式のガロア群はn次対称群の推移的な部分群と同型になるが、どうすればこの群を決定できるのか? この問の答が本書にあるが、内容豊かなこの第4部のハイライトは他の話題にある。本書最大のハイライトは、第14章「可解置換群」の後半に解説されている素数平方次の原始可解方程式のガロア群の構造の決定にある。ここでは息の長い難しい議論を要するが、未完とはいえその解決に迫ったガロアの天才を偲びたい。最終章では、レムニスケートの等分に関するアーベルの定理とレムニスケート関数がガウス整数環に虚数乗法を持つという素晴らしい定理が解説されている。ここで、高木先生の『近世数学史談』の第20章と第21章を参照されれば、面白さは間違いなく倍増するだろう。
著者の古典への深い学識、最新成果への言及、更に計算機代数プログラムの活用、それらがうまく融合してコックス教授ならではという感じの味わい深い書になっている。