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悪霊退散!!!
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弾正弼源顕定、魔羅を出して咲はるる語 第廿五
今は昔、藤原の範国と云ふ人有りけり。五位の蔵人にて有りける時、小野の宮の実資の右の大臣と申す人、陣の御座に着て、上卿として事定め給ひけるに、彼の範国は五位の職事にて、申文を給はらむが為に、陣の御座に向ひて、上卿の仰せを承る間、弾正弼源の顕定と云ふ人、殿上人にて有りけるが、南殿の東の妻にして魔羅を掻き出しぬ。
上卿は奥の方に御すれば、え見給はず。範国は陣の御座の南の上にて此れを見て、をかしきに堪へずして咲ひぬ。上卿、範国が咲ふを見て、案内を知らずして、「何かで、汝は公の宣を仰せ下す時には、此く咲ふぞ」と、大きに咎められて、即ち此の由を奏し給ひければ、範国、事苦しく成りて、恐ぢ怖けり。
しかれども、範国、「此く顕定の朝臣の魔羅を出したりつれば」とはえ云出さでぞ止にける。顕定の朝臣は、「極めてをかし」とぞ思ひける。
されば、人、折節知らぬ由無き戯れは為まじき事也となむ、語り伝へたるとや。
悪霊退散!!!
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