20/12/06 10:09:57.40 V/gu0+4H.net
>>670
つづき
群を指定して考える定式化もあるが,ここでは「全ての有限群が k 上のガロア群として実
現できるか ?」という場合のみを考える.Q 上のガロアの逆問題の最初の系統的なアプロー
チは 1892 年の Hilbert [H] にさかのぼる.有名な既約性定理はこのために証明された.
例 1.6. 例えば C(t), R(t),Q ̄ (t), Qp(t), F ̄
p(t) などの関数体上のガロアの逆問題は肯定的に
解かれている.代数体の場合は一般に難しいが,1992 年 Fried-V¨olklein [FV] により, 標数 0
可算 Hilbertian2 PAC -体3 上のガロアの逆問題が肯定的に解けることが証明された.
注)
2 体 K 上の r 変数有理関数体 K(t), t = (t1, ・ ・ ・ , tr), 上の既約分離多項式を fi(t, X), i = 1, ・ ・ ・ , m とする.
体 K が Hilbertian とは,a ∈ Kr が存在して,fi(t, X) は K 上定義され既約であることをいう.
3 体 K が PAC (pseudo algebraic closed) であるとは,K 上の絶対既約な代数多様体 V ≠ Φ に対して,
V (K) ≠ Φ であることをいう. これと同値な条件: K 上の絶対既約な代数多様体 V に対して, V (K) は V 内で
Zariski 稠密であること.
具体例には Q 上最大総実代数体に √?1 を添加した体がある.また 1996 年 Pop [P] により正標数の場合が証明された.4
つづく