純粋・応用数学(含むガロア理論)4at MATH
純粋・応用数学(含むガロア理論)4 - 暇つぶし2ch689:現代数学の系譜 雑談
20/09/25 07:21:38.88 r08k0jea.net
>>600
つづき
テンソル
私達は,最初にそのままベクトルを掛け合わせ,そこに独特のルールを課することで内積と外積を分離しましたが,何も分離しないで,そのままテンソル積 ◯x の形で考えることもできます.このようにして出てきた量は,テンソルと呼ばれます.

たまに,テンソルのことを行列だと勘違いしている人に遭遇します.この勘違いは恐らく,物理学や工学に出てくるテンソルの多くが二階のテンソルで,式 (2) の行列形でいきなり教科書に紹介されることに原因していると思われます.式 (1) のように基底に着目し,ベクトルを拡張したものがテンソルだということが分かっていれば,テンソルを単なる行列だと勘違いすることは無いでしょうし,三階以上のテンソル成分を行列で表わそうと思ったら少し工夫が必要だということも察せられるでしょう.
このあと テンソルの概念 では,テンソル成分が座標変換の際に満たすべき関係式を使ってテンソルを定義します.テンソルは結構奥の深い分野ですから,それだけで色々楽しめると思います.

ベクトルの集合は ベクトル空間 と呼ばれる代数構造を持ちますが,ベクトルの元同士に適切な乗法を定義したベクトル空間を代数と呼びます.代数と言うと,代数学の意味もありますから紛らわしいですが,数学者は乗法の定義されたベクトル空間を代数と呼んでしまっても混乱しないようです.テンソル積によってベクトル空間から生成される代数は テンソル代数 と呼ばれます.
つづく


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