20/09/25 07:20:39.72 r08k0jea.net
>>599
つづき
{A}◯x {B}
=(a^1{e_1}+a^2{e_2}+a^3{e_3})◯x (b^1{e_1}+b^2{e_2}+b^3{e_3})
=a^1b^1{e_1}◯x {e_1}+a^1b^2{e_1}◯x {e_2}+a^1b^3{e_1}◯x {e_3}
+a^2b^1{e_2}◯x {e_1}+a^2b^2{e_2}◯x {e_2}+a^2b^3{e_2}◯x {e_3}
+a^3b^1{e_3}◯x {e_1}+a^3b^2{e_3}◯x {e_2}+a^3b^3{e_3}◯x {e_3} (1)
内積
基底の積 {e_i}◯x {e_j} に関して,次のようなルールを決めることにします.
もし i=j ならば, {e_i}◯x {e_i} =1 とする.
もし i ≠ j ならば, {e_i}◯x {e_j} =0 とする.
すると式 (1) は次のようになります.
{A}◯x {B}
=a^1b^1{e_1}◯x {e_1}+a^2b^2{e_2}◯x {e_2}+a^3b^3{e_3}◯x {e_3}
=a^1b^1+a^2b^2+a^3b^3
このルール 1 ~ 2 を導入する場合は,特に ◯x の代わりに ・ と書くことにしましょう.
{A}・ {B}=a^1b^1+a^2b^2+a^3b^3
これはご存知の通り,内積に他なりません.
考察
内積
式 (1) で行った掛け算にはちゃんと名前がついていて,実はテンソル積と言います.テンソル積に対し,特別にルールを課すと,内積と外積という掛け算を作ることを見ました.基底の積が {e_1}◯x {e_1} のように同じ基底の積になっているものだけを内積と呼び,同様に {e_1}◯x {e_2} のように異なる基底の積になっているものを外積と呼びましたが,テンソル積の成分を次のように行列で書くと,テンソル積成分のうちどこが内積部分と外積部分に相当するのかがよく分かります.
つづく