純粋・応用数学(含むガロア理論)4at MATH
純粋・応用数学(含むガロア理論)4 - 暇つぶし2ch12:現代数学の系譜 雑談
20/08/30 15:22:06.55 oR3g+efa.net
>>10
つづき
体の準同型(単位元を持つ環としての準同型)は常に単射であり、かつ零射でないのでその像と元の体は同型になる。
ゆえに体の場合は準同型といわず中への同型 (isomorphic into) とよび、さらに全射ならば上への同型 (isomorphic onto) であるという。また、群や環の準同型、ベクトル空間の線型写像(環上の加群としての準同型)は全単射ならば同型である。
まったく同じ写像でも、ある構造に注目したときは準同型を与えるけれども、始域・終域にさらに構造をいれたり、他の構造を持つ集合と見たりしたときには準同型でないことがありうる。したがって、同時にいくつもの構造を併せ持つ集合たちの間の準同型を扱う時には、それがどの構造と可換であるかをはっきりさせる必要が生じる。
諸定義
自己同型群・自己準同型環
代数系 (A, R) に対し、始域と終域が同じ A である準同型写像 f: A → A は A 上の自己準同型(じこじゅんどうけい、endomorphism)であると言い、さらに f が同型写像であるときには A 上の自己同型(じこどうけい、automorphism)と呼ばれる。 A 上の自己同型の全体 Aut(A) は写像の合成を二項演算と考えれば、恒等写像 idA を単位元とし、逆写像を逆元とする群を成す。これを A 上の自己同型群と呼ぶ。
また、G が群であるとき、G 上の自己準同型 f, g に対し、f(x)g(y) = g(y)f(x) がどんな x, y ∈ G に対しても成り立つなら f と g は加法可能であると言い、(f + g)(x) := f(x)g(x) (x ∈ G) と置く。特に、G がアーベル群なら G 上の自己準同型の全体 End(G) で加法が定義され、さらに写像の合成を積として End(G) は環となる。これを G 上の自己準同型環という。
つづく


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