IUTを読むための用語集資料集スレat MATH
IUTを読むための用語集資料集スレ - 暇つぶし2ch7:現代数学の系譜 雑談
20/06/21 08:06:31.51 W0WIc7wX.net
>>6
どうもありがとう
>せっかくなので日本語Wikipediaに翻訳が載っていない語を挙げてみる
・ホッジシアター/ホッジ劇場/ホッジ舞台:星「IUT入門」目次 § 20. 加法的 Hodge 劇場、§ 25. 乗法的 Hodge 劇場、§ 26. Hodge 劇場と対数リンク
(加法的 Hodge 劇場と乗法的 Hodge 劇場の二種類ある? ”Hodge 劇場と対数リンク”は、前述の2つを対数リンクで繋ぐ?)
・LabCusp:山下サーベイ P224 For v ∈ V, a label class of cusps of †Dv is the set of cusps of †Dv lying over a single non-zero cusp of †Dv
(Note that each label class of cusps consists of two cusps).
We write LabCusp(†Dv) for the set of label classes of cusps of †Dv.
Note that LabCusp(†Dv) has a natural F*l-torsor structure (which comes from the action of F×l on Q in the definition of X in Section 7.1).
・絶対ガロア群:山下サーベイ P166 We write GK for the absolute Galois group of K for an algebraic closure K.
・グロタンディーク予想:
URLリンク(www.kurims.kyoto-u.ac.jp)(ronsetsu).pdf
代数曲線の基本群に関するGrothendieck予想 - RIMS, Kyoto 中村博昭, 玉川安騎男, 望月新一
URLリンク(mathsoc.jp)
グロタンディーク・タイヒミュラー理論の話題から 中村博昭(大阪大学理学研究科)
第 63 回代数学シンポジウム(於 東京工業大学,2018 年 9 月)報告集所収
つづく

8:現代数学の系譜 雑談
20/06/21 08:06:53.13 W0WIc7wX.net
>>7
つづき
・ジーゲルの定理:
URLリンク(ja.wikipedia.org)
数学において、整数点についてのジーゲルの定理 (Siegel's theorem on integral points) は、1929年のカール・ジーゲル (Carl Ludwig Siegel) の結果であり、与えられた座標系を持つアフィン空間で表現される、代数体 K 上定義された種数 g の滑らかな代数曲線 C に対し、g > 0 であれば、K の整数環 O の座標でC 上の点は有限個しかないという定理である。この結果を適用できる例として、モーデル曲線(英語版)(Mordell curve)がある。
この定理の証明は、ディオファントス近似からのトゥエ・ジーゲル・ロスの定理のあるバージョンとディオファントス幾何学(英語版)(diophantine geometry)からのモーデル・ヴェイユの定理とを結合することにより得られた。(ここで C のヤコビ多様体へ適用するためにヴェイユのバージョンが必要である。)それは、種数のみに依存しディオファントス方程式の任意の特別な代数的な形式に依らない、ディオファントス方程式についての最初の大きな結果であった。種数 g > 1 の場合は、現在、ファルティングスの定理に取って代わられた。
URLリンク(ja.wikipedia.org)
モーデルの定理(2 モーデル・ヴェイユの定理)
つづく

9:現代数学の系譜 雑談
20/06/21 08:07:13.94 W0WIc7wX.net
>>8
つづき
・エルミート・ミンコフスキーの定理:
URLリンク(en.wikipedia.org)
In mathematics, especially in algebraic number theory, the Hermite?Minkowski theorem states that for any integer N there are only finitely many number fields, i.e., finite field extensions K of the rational numbers Q, such that the discriminant of K/Q is at most N. The theorem is named after Charles Hermite and Hermann Minkowski.
This theorem is a consequence of the estimate for the discriminant
√ {|d_{K}| >= {n^{n}/{n!}(π/4)^{n/2}
where n is the degree of the field extension, together with Stirling's formula for n!. This inequality also shows that the discriminant of any number field strictly bigger than Q is not ±1, which in turn implies that Q has no unramified extensions.
References
Neukirch, Jurgen (1999). Algebraic Number Theory. Springer. Section III.2 (多分訳本あり)
URLリンク(ja.wikipedia.org)
ミンコフスキーの定理は凸体の中の格子点の存在に関する定理で、 原点に関して対称な凸集合は体積が十分大きいとき、必ず原点以外の格子点を有することを主張している。 ヘルマン・ミンコフスキーによって証明され、二次形式の研究に用いられた。 凸体と格子点の関係に関する研究は数の幾何学へと発展し、二次形式のほか、代数体の単数やイデアル類群の性質の研究、ディオファントス近似など数論の様々な領域に応用されている。
URLリンク(ja.wikipedia.org)
二次形式
つづく

10:現代数学の系譜 雑談
20/06/21 08:08:04.86 W0WIc7wX.net
>>9
つづき
・単数定理:
URLリンク(ja.wikipedia.org)
数学において、ディリクレの単数定理(Dirichlet's unit theorem)は、ペーター・グスタフ・ディリクレ (Dirichlet 1846) による代数的整数論の基本的な結果である[1]。
ディリクレの単数定理は、代数体 K の代数的整数がなす環 {O}_{K} の単数群 {O}_{K}^x の階数を決定する。
単数基準(もしくは、レギュレイター(regulator)ともいう)は、どれくらい単数の「密度」があるかを決める正の実数である。
ヘルムート・ハッセにより(後日、クロード・シュヴァレーにより)、単数定理は一般化され、整数環の局所化での単数群の階数を決定するS-単数(英語版)(S-unit)の群の構造が記述された。また、ガロア加群構造(略)が決定された[2]。
次数が 2 以上の代数体の単数基準は、現在は多くの場合に計算機代数のパッケージがあるが、普通、計算することが非常に難しい。普通は類数公式を使い類数 h に単数基準をかけた積 hR を計算することは簡単であり、代数体の類数の計算の主な困難は単数基準を計算することにある。
つづく

11:現代数学の系譜 雑談
20/06/21 08:08:24.19 W0WIc7wX.net
>>10
つづき
・ザリスキの主定理:
URLリンク(ja.wikipedia.org)
オスカー・ザリスキ
主な業績は、ザリスキ位相の導入やザリスキの主定理(英語版)の証明を含む可換環論と代数幾何の融合である。
弟子に、ダニエル・ゴーレンシュタイン、広中平祐、ミハイル・アルティン、デヴィッド・マンフォード、ロビン・ハーツホーンら著名な数学者がたくさんおり、優れた指導者でもあった。
URLリンク(en.wikipedia.org)
Zariski's main theorem
In algebraic geometry, Zariski's main theorem, proved by Oscar Zariski (1943), is a statement about the structure of birational morphisms stating roughly that there is only one branch at any normal point of a variety. It is the special case of Zariski's connectedness theorem when the two varieties are birational.
Zariski's main theorem can be stated in several ways which at first sight seem to be quite different, but are in fact deeply related. Some of the variations that have been called Zariski's main theorem are as follows:

The name "Zariski's main theorem" comes from the fact that Zariski labelled it as the "MAIN THEOREM" in Zariski (1943).

つづく

12:現代数学の系譜 雑談
20/06/21 08:09:07.81 W0WIc7wX.net
>>11
つづき
・チェボタレフの密度定理:
URLリンク(en.wikipedia.org)
Chebotarev's density theorem
Chebotarev's density theorem in algebraic number theory describes statistically the splitting of primes in a given Galois extension K of the field {\displaystyle \mathbb {Q} of rational numbers. Generally speaking, a prime integer will factor into several ideal primes in the ring of algebraic integers of K. There are only finitely many patterns of splitting that may occur. Although the full description of the splitting of every prime p in a general Galois extension is a major unsolved problem, the Chebotarev density theorem says that the frequency of the occurrence of a given pattern, for all primes p less than a large integer N, tends to a certain limit as N goes to infinity. It was proved by Nikolai Chebotaryov in his thesis in 1922, published in (Tschebotareff 1926).
Contents
1 History and motivation
2 Relation with Dirichlet's theorem
3 Formulation
4 Statement
4.1 Effective Version
4.2 Infinite extensions
5 Important consequences
つづく

13:現代数学の系譜 雑談
20/06/21 08:09:49.91 W0WIc7wX.net
>>12
つづき
Important consequences
The Chebotarev density theorem reduces the problem of classifying Galois extensions of a number field to that of describing the splitting of primes in extensions. Specifically, it implies that as a Galois extension of K, L is uniquely determined by the set of primes of K that split completely in it.[6] A related corollary is that if almost all prime ideals of K split completely in L, then in fact L = K.[7]
URLリンク(tsujimotter)はてなぶろぐ/entry/how-to-use-chebotarev-density-theorem
tsujimotterのノートブック
2018-12-13
ガロア表現とChebotarevの密度定理の使い方
動機と参考文献
きっかけは以前から勉強していた 岩澤理論 でした。どうしても理解したい定理 があって,その証明にガロア表現が出てきます。
特に今回のテーマである 「ガロア表現の同値性」 が関わってくるのですが,その同値性を示すのにどうやら 「Chebotarevの密度定理」(あとで出てきます)が使えるらしいのです。
私の印象ですが,割とこの辺の知識は常識みたいに扱われることが多く,証明にも空気のように「Chebotarevの密度定理より」と書いてあったりします。いったいどうしてChebotarevの密度定理が使えるのかと不思議に思っていました。
しばらく勉強していくうちに,ガロア表現の同値性にChebotarevの密度定理が関係する「理屈」がわかってきました。そのことがとても嬉しくてこの記事を書いています。
(引用終り)
以上

14:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:13:18 W0WIc7wX.net
・「微分」&「小平・スペンサー写像」
下記ABC予想入門 PHP 黒川&小山
P205に スピロ予想
”一般の関数体版でも「微分」が「小平・スペンサー写像」として表れてくる。
望月氏の論文は、「F1体上の微分」を「F1体上の小平・スペンサー写像」として構成するところが、最大の要点
(第4章末尾のコラムを参照)であり
ここに数百ページ(以前のものを合わせると千ページ)に達する
壮大な数学宇宙が広がっている。”とあります。
(参考)
URLリンク(www.php.co.jp)
ABC予想入門 PHP 2013/03/18
著者 黒川信重≪東京工業大学教授≫/小山信也≪東洋大学教授≫著
アマゾン書評
島津利一
5つ星のうち5.0 これは面白い グロタンディークの後継者 望月新一教授 の数学を分かりやすく歴史も踏まえて説明しています。
2013年6月8日に日本でレビュー済み
(抜粋)
丁寧に、一般向けに書かれた優しい数学の本でした。
しかし、もっと勉強したい人用に書かれた後ろの数学的内容を理解するには根気が必要でしょう。
「数論入門」と考えて読むには最適の本です。ただし、その内容をきちんと理解するには数学科2年生くらいの知識を必要とします。
イデアル論 素元 と 既約元の異なること、複素関数論 リーマン面 楕円関数論 等の簡単な知識があれば、すいすいと読める内容です。
数学を志す学生は、後ろの別章をキチンと追ってみるといいと思います。
勿論 そういう数学を全く知らなくても分かるように書かれているのも特徴です。
この本を読んで、望月新一教授のHPを覗きたくなり、行ってみました。
確かに、グロタンディークの後継者が登場している雰囲気が伝わってきました。
(引用終り)

つづく

15:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:13:39 W0WIc7wX.net
>>14
つづき

なかなか、良い本です。でも、今の数学科2年生ではきついかもね
さて、”「F1体上の微分」を「F1体上の小平・スペンサー写像」として構成する”は、下記の北大 中村 郁先生、ご参照

URLリンク(www.math.sci.hokudai.ac.jp)
中村 郁のホームページです.北海道大学
URLリンク(www.math.sci.hokudai.ac.jp)
小平の変形理論と最近の発展, 数学セミナー, 1997年12月(PDF FILE)
(小平の変形理論とその後の発展)北海道大学  中村 郁

1 はじめに
この稿では,小平先生の変形理論とその (潜在的なものも含
めた) 影響について,紹介したいと思います。与えられた対
象を出発点 (または初期値) とする新しい対象 (これを変形と
いう),できればもっとも普遍的な対象を構成し,具体的には
構成できない場合でも,良い変形の存在の証明を目指す,こ
れが変形理論です。小平-Spencer 以前にも Teichm¨uller 理論,
楕円曲線やアーベル多様体の理論はありましたが,変形とい
う概念が数学的に定式化され,強力な数学的手段となったの
は,小平-Spencer の複素構造の変形理論が最初です。この小
平-Spencer の変形理論の確立には,岡,カルタンに始まる連
接層とコホモロジーの理論が必要でした。
その後,小平-Spencer の変形理論は,少なくとも,その考
え方の原理的な点において,代数幾何学の枠組みを越えて,数
学のいろいろな分野で,引き継がれ生き続けています。

E(t) は 1 次元下がって,複素 1 次元したがって,実
2 次元です。E(t) は,t3 = 1 のとき,ドーナツの表面の形を
しています。これを,位相構造が不変と言います。t3 = 1 の
ときは,E(t) が 3 個の(位置を変えた)P1 となるので, 除外
しておきます。
ところで,小平-Spencer は,関数を微分するように,E(t)
の幾何学的な微分ができることを示しました。

つづく

16:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:14:06 W0WIc7wX.net
>>15
つづき

定理 1 (小平-Nirenberg-Spencer1958/p.910) M をコンパク
トな複素多様体とし,H2(ΘM)=0 と仮定する。このとき,
N 個の parameter t1,・・・,tN に依存したコンパクトな複素
多様体の族 {M(t1, ・・・ , tN )} が存在して,どんな M の微少変
形も {M(t1 ・・・tN )} のなかに同型なものがある。ただし,N
は複素ベクトル空間 H1(ΘM ) の次元,M(0, ・・・ , 0) = M。
∂M(t)/∂t は一次の幾何学的微分です。そして,H2(ΘM) =
0 は Taylor 級数で2次以上の項がないという条件に相当し,定
理 1 は,すべての変形 (幾何学的 Taylor 級数) が H1(ΘM )(一
次の微分) で決定されることを主張しています。
その後のあらゆる種類の変形理論を通じて,この形の定理
は,応用上もっとも重要です。
上の定理は,それらのすべての原形を与えている点で,歴史的にも,重要な意味を持って
います。

この理論は最近,Mordell-Weil 格子の理論 (塩田 1989-1997
なお発展中) の中で,より精密な形で再構成されました。ま
た,Mordell-Weil 格子の理論のひとつの応用として,E8 の
Weyl 群という非常に大きなガロア群 (位数 214 ・ 35 ・ 52 ・ 7) を
持つ代数方程式がすべて決定されています。このほか,多く
の素晴しい結果が得られていますが,この理論の基本的なと
ころでは,楕円曲面の理論 (小平 1963/p.1269) が用いられて
います。(楕円曲面については,浪川氏の解説を参照してくだ
さい。)

つづく

17:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:14:29 W0WIc7wX.net
>>16
つづき

3 写像の変形理論

正標数でも同様の理論を作り,埋め込みの写像 π : S →
M の変形を考えることで,応用が増えます。実際,森重文
(1979/1982) はまず,M が Fano 多様体 (P2 を高次元へ拡張
したもの) のとき,かってにとった曲線をもとに,正標数特
有の技巧 (Frobenius 写像) と正標数の写像の変形理論によっ
て,写像を変形し,曲線をついに折れるまで曲げて,標数 0
のときも含め有理曲線 P1 を構成しました。さらに,得られ
た有理曲線を,再び,写像の変形理論によって,次数のより
低い有理曲線に分解しました。これが,森理論の核心部分で
す。この応用として,森重文は Hartshorne 予想を解決しまし
た。森の方法は,有理曲線を構成する方法として多くの専門
家に応用され,今では,Bend and Break(曲げて折る) とい
う名前がついている程です。

4 剛性定理

変形理論というのは,変形が豊かに存在して始めて面白い
わけですが,逆に変形しても,全然変化しない多様体があり
ます。あるいは,もっと強く,多様な複素構造が許されない
ような(可微分) 多様体があります。
定理 4 K¨ahler 複素多様体が射影空間 Pn と位相同型ならば
複素多様体としても同型。
n が奇数の時は [小平-Hirzebruch1958/p.744] によって証明
され,n が偶数の時は,Yau により証明が完成されました
(1977)。

つづく

18:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:14:49 W0WIc7wX.net
>>17
つづき

5 Donaldson 理論

ここで,Donaldson 理論についてほんのすこしだけ説明し
ます。簡単のため,X を単連結な実 4 次元可微分多様体,MX
を X に付随したある空間の反自己双対接続 (一般化された微
分,これをインスタントンと呼ぶ) のモジュライ空間としま
す。モジュライ空間というのは,この場合はインスタントン
を全部集めた空間のことです。A ∈ MX をひとつのインスタ
ントン,A + α をその近くのインスタントンとしたとき,α
は微分方程式
DA+(α)+[α, α]+ = 0
を満たします。 こうして,MX は局所的には,複素構造の
変形空間によく似た形の微分方程式で記述されます。AtiyahSinger-Hitchen は,(小平-Spencer-) 倉西による変形空間の
研究の方法を適用して,MX の研究を始めました。その後

Taubes,Uhlenbeck らの結果を用いて,Donaldson は MX の
構造を解明し,多くの重要な結果を導き,さらに Donaldson
多項式と呼ばれる可微分多様体の新しい不変量を発見しまし
た。もしふたつの単連結な実 4 次元可微分多様体 X,X の
Donaldson 多項式が異なれば,X,X は (向き付けを保って)
可微分同相にはなりません。この不変量はホモトピー K3 曲面
をはじめ多くの複素曲面に適用されて,興味深い結果が証明さ
れました。定理 9 のタイプの最初の重要な応用は Donaldson
によりますが,本稿の話題とずれるので,割愛します。

小平先生のご冥福をお祈りしつつ,筆をおきます。

つづく

19:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:15:12 W0WIc7wX.net
>>18
つづき

URLリンク(www.math.sci.hokudai.ac.jp)
モジュライと変形理論, 数学の楽しみ, no.20, 2000年8月 (PDF FILE)

P17
小平-Spencer の変形理論とは何か? 3 次曲線の場合に考えてみる。まず 3
次曲線をひとつとる:

前節と同様に微少変形のコホモロジー群を調べればよい。
答えを同次式によって表示すると、(17) と同様に記号の意味をとることで
すべての同次 3 次式/(xi∂H/∂xj )i,j=0,1,2 (20)
となる。これは 1 次元である。(20) を代表するどんな元 h をとっても、
H + sh = 0 (21)
はE の微少変形の可能性を尽くす。小平-Spencer の一般論は、3 次曲線の場
合このようになる。代数多様体がひとつの同次式で定義される場合で、その
変形理論が例外的なのは唯一 4 次曲面で、このときは、4 次式の枠をはみ出
してしまい、(神様でも) 変形を具体的に書くことはできない。これ以外の場
合には、微少変形は(19) (20) と (21) の類似物で与えられる。

7 変形理論
以上説明したことをもう一度別の言葉で整理すると、変形理論とは局所的
なモジュライ理論のことである。したがって良いモジュライ理論があるため
には、つまりよいモジュライ空間が存在するためには、良い変形理論がなけ
ればならない。代数曲線、アーベル多様体、K3 曲面のモジュライ理論が進ん
でいるのも、これらの場合には良い変形理論があるからである。
現代数学の主要な方法論の一つは、大域的なものを局所的なもののつなぎ
合わせとして理解するということである。その意味でモジュライ理論を理解
するためには変形理論が基礎となる。
モジュライ理論が一番都合よく進められる場合は、モジュライ空間が特異
点を持たない場合である。この場合はモジュライ空間は局所的に一次近似に
よって理解できる。このとき、その局所的な一次近似は、微少変形を記述す
るコホモロジー群であると考えてよい。

つづく

20:現代数学の系譜 雑談
20/06/21 10:15:50.10 W0WIc7wX.net
>>19
つづき
小平-Spencer の理論がモジュライ理論の基礎というばかりでなく、
小平Spencer の理論の底にある考え方は、現在幅広い応用を示しつつある。
それはすでに数学の基本的な考察手段となった感がある。例えば、群や代数の表
現の変形は、数論、数理物理など、今後いろいろな分野で注目されていくで
あろうが、これは小平-Spencer の理論にはなかったものである。という以上
に、現在われわれが出会う変形理論のほとんどは、本来の小平-Spencer の理
論の中にはなかったものである。変形理論は必要性のゆえに、次々と研究者
によって導入され拡大されてきたのである。これについては、数学セミナー
97 年 12 月号の記事を見ていただいた方がよいと思う。
付録
URLリンク(www.math.sci.hokudai.ac.jp)
談話室の小平先生
北海道大学  中村 郁
(「モジュライと変形理論」数学の楽しみ 20 号,2000 年 8 月より抜粋)
(引用終り)
以上

21:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:32:17 W0WIc7wX.net
>>7

>・LabCusp:山下サーベイ P224 For v ∈ V, a label class of cusps of †Dv is the set of cusps of †Dv lying over a single non-zero cusp of †Dv
(Note that each label class of cusps consists of two cusps).

LabCusp 補足
星裕一の論文
宇宙際 Teichmuller 理論入門 PDF (2019) (Indexあり)URLリンク(repository.kulib.kyoto-u.ac.jp)
P82
テータ関数に代入するべき点は, LabCusp±K~= Fl という集合の元たちで自然にラベ
ル付けされます. Fl の各元での特殊値に関する考察から, F×l = Fl \ {0} でラベル付けさ
れた点での特殊値によって (b) が得られ, そして, 0 ∈ Fl でラベル付けされた点での代入
によって, (テータ関数が登場する) “テータモノイド” の分裂が得られることがわかりま
す. また, 0 ∈ Fl での代入によるこの分裂は, 後に, 対数写像を通じて, (b) や (c) に対す
る適切な “入れ物” としての (a) と結びつきます. (§19 や §20 の議論や §8 や §9 の議論
の一部を参照.) そして, 非常に大雑把なレベルでは, §13 から §20 までで構成される “加
法的 Hodge 劇場” (つまり, D-Θ±ell Hodge 劇場や Θ±ell Hodge 劇場) は, テータ関数, そ
の代入点のラベルの管理, 及び, その特殊値 (つまり, (b)) のための “入れ物” (つまり, 最
終的には (a) となるもの) のための設定だと考えられます.

つづく

22:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:32:43 W0WIc7wX.net
>>21
つづき

また, (c) の多輻的な表示は, その “加法的 Hodge 劇場” による加法的対称性を用い
たラベルの管理を破壊してしまわないようなラベルの管理のもとで実現されなければなり
ません. その上, “加法的 Hodge 劇場” に現れる大域的な対称性と多輻的に表示されるべ
き (c) の非両立性に, ラベルの管理を対応させなければなりません. (§21 の議論を参照.)
LabCuspK~= F×l/{±1} という集合は, テータ関数の非単数的特殊値に対する自然なラベ
ルの集合であり, この集合に対する乗法的対称性は上述のラベルの管理に関連します. こ
の乗法的/数論的な対称性をもとにした, 数体やその上の数論的直線束たちと, テータ関数
の代入点との間の適切な関連付けが, §21 から §25 までで構成される “乗法的 Hodge 劇
場” という概念によって実現されます. (§18 や §21 の議論を参照.) つまり, 非常に大雑把
なレベルでは, “乗法的 Hodge 劇場” (つまり, D-ΘNF Hodge 劇場や ΘNF Hodge 劇場)
は, (c) の多輻的な表示, 及び, その (c) と (“加法的 Hodge 劇場” におけるテータ関数へ
の “�


23:纉�” という操作を行うことによって得られる) (a) や (b) との間の関連付けのため の設定だと考えられます. つづく



24:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:33:02 W0WIc7wX.net
>>22
つづき




25:チ法的/幾何学的な対称性をもとに構成された “加法的 Hodge 劇場” と, 乗法的/数論 的な対称性をもとに構成された “乗法的 Hodge 劇場” を (対称性の出自の観点からは “非 従来的な形” で) 貼り合わせることで得られる概念が, D-Θ±ellNF Hodge 劇場や Θ±ellNF Hodge 劇場です. (§26 の議論を参照.) そして, 2 つの Θ±ellNF Hodge 劇場を対数リンク (§9 や §26 を参照) によって結び付けることで, ある単数的乗法的加群を, (a) というコン パクトな加法的加群に変換することができます. しかも, それは (b) や (c) の “入れ物” となります. (§8 や §9 の議論を参照.) 一方, “対数写像は設定の環構造に依存する” とい う事実によって, (単一の) 対数リンクによる (a) という “入れ物” は, Θ リンクと呼ばれ る設定の環構造と両立しないリンクに対する両立性を持ちません. この問題を回避するた めに, 対数リンクの無限列から生じる “Frobenius 的対数殻の対数写像による関係の無限 列とそれぞれ Frobenius 的対数殻とエタール的対数殻の間の Kummer 同型” の総体であ る, 対数 Kummer 対応を考えなければなりません. (§9 や §10 の議論を参照.) エタール的部分の不定性や対数殻の Kummer 同型に付加されてしまう不定性によっ て, (a) の多輻的な表示を得るためには, (a) に対するそれぞれ (Ind1), (Ind2) という不定 性 (§10 を参照) を許容しなければなりません. また, 上述の対数 Kummer 対応が上半両 立性を満たすことしか確認することができないという事実によって, (a) の多輻的な表示 を得るためには, (a) に対する (Ind3) という不定性 (§10 を参照) を許容しなければなり ません. 一方, これまでの説明に登場してきた様々な概念を用いることで, (Ind1), (Ind2), (Ind3) という比較的 “軽微な不定性” のもと, (ある適切な設定において) (a), (b), (c) を 多輻的に表示することができるのです. つづく



26:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/21 10:33:30 W0WIc7wX.net
>>23
つづき

最初にこの宇宙際 Teichm¨uller 理論を勉強したときに筆者が持った印象は, “このよ
うな議論が許されるならば, 何でもやりたい放題ではないか” という方向性のものでした.
しかしながら, 更に勉強を進めたり, あるいは, 類似的な議論を模索していく内に, 理論に
対する印象は, “理論における様々な対象の構成は, もう少しで崩れてしまいそうな辛うじ
て保たれている均衡の上に成り立っており, そう簡単にはこの理論の真似はできない” と
いう, 最初の印象の逆を向いたものに変化してしまいました.

星 続・宇宙際 Teichmuller 理論入門 PDF (2018) (Indexあり) URLリンク(repository.kulib.kyoto-u.ac.jp)
P214
[2], §19, や [2], §21, の最後の議論でまとめられているとおり, D-Θ±ell Hodge 劇場
や Θ±ell Hodge 劇場の構成で重要な役割を果たす対称性は,
“AutK(XK) (~= Fx±l) → (Fl~=) LabCusp±K”
という加法的/幾何学的な対称性
です. 一方, [2], §21, の最後の議論でまとめられているとおり, D-ΘNF Hodge 劇場や
ΘNF Hodge 劇場の構成で重要な役割を果たす対称性は,
“Gal(K/Fmod) の部分商 Aut(CK)/Aut∈(CK) (~= F*l) → (F*l~=) LabCuspK”
という乗法的/数論的な対称性
です. これら対称性について, それぞれ §4, §5 で, 簡単に復習しましょう.
(引用終り)
以上

27:HN設定age(^^;
20/06/22 13:25:11.00 dqlDH/E2.net
HN設定age(^^;

28:現代数学の系譜 雑談
20/06/22 23:40:01.68 Ds9PXTTk.net
>>15
追加
下記、読んでおくと良いと思う
IUTで出てくる話が多く含まれている
(例:”変形理論─藤木 明”)
URLリンク(www.nippyo.co.jp)
数学セミナー  2015年3月号
特集=小平邦彦と代数幾何
小平邦彦略伝─宮岡洋一
小平先生の研究業績:
曲面論─今野一宏
変形理論─藤木 明
楕円曲面─小木曽啓示
小平数学のその後の影響や発展:
高次元代数多様体論─藤野 修
変形理論のその後の発展─並河良典
[記事再録◎座談会]
小平邦彦教授と若い数学者たち─小平邦彦+飯高 茂+河井壮一+諏訪立雄
[解説] 座談会の頃の思い出など─飯高 茂
[記事再録◎わが師・わが友・わが数学] プリンストンの思い出─小平邦彦

29:現代数学の系譜 雑談
20/06/23 00:02:50.91 nKssTr8/.net
URLリンク(www.ms.u-tokyo.ac.jp)
斎藤 毅のホームページ
URLリンク(www.ms.u-tokyo.ac.jp)
斎藤 毅 講演
2011 中央大学数学科談話会 フェルマーの最終定理 ー その証明の主役たち 4月22日(金) 16時30分から17時30分 中央大学後楽園キャンパス6号館3階 6302教室
が下記かも
URLリンク(www.ms.u-tokyo.ac.jp)
Fermat’s Enigma
(IUTに対する目を慣らすために)

30:現代数学の系譜 雑談
20/06/23 00:09:13.57 nKssTr8/.net
1 点抜き楕円曲線が、IUTに出てきます
URLリンク(www.math.sci.hokudai.ac.jp)
数学総合 若手研究集会INDEX
URLリンク(www.math.sci.hokudai.ac.jp)
1 点抜き楕円曲線の同型類の幾何的基本群による復元
京都大学大学院 理学研究科 数学・数理解析専攻 数理解析系
更科明 (Akira SARASHINA)
概要
1980 年代、Grothendieck により素体の有限次拡大体上の双曲的曲線の幾何が (ある意味
で)´etale 基本群から復元されるという予想が提唱された。この予想は中村博昭氏、玉川安騎男氏
の部分的な結果を経て望月新一氏によって肯定的に解決された。本稿では正標数代数閉体上の曲
線に対しても ´etale 基本群が多くの情報を持つ事、また特別な場合に元の曲線の同型類が復元で
きる事を紹介する。
Grothendieck により U が遠アーベル多様体であるとき U の幾何は (ある意味で) 上記の完全列
から復元されるという、今日では Grothendieck 予想とも呼ばれる予想が提唱された (c.f. [2], [3])。
Grothendieck は遠アーベル多様体の定義を残していないためこの予想は厳密に定式化されたもので
はないが、一次元の場合は遠アーベルと双曲的が同値であると予想した。この曲線に対する予想は中
村博昭氏、玉川安騎男氏の部分的な結果を経て望月新一氏によって肯定的に解決された。

31:現代数学の系譜 雑談
20/06/23 00:18:28.54 nKssTr8/.net
楕円曲線の解説
見ておいた方が良いと思う
URLリンク(www.imetrics.co.jp)
S. Kusafusa
URLリンク(www.imetrics.co.jp)
楕円曲線とモジュラー形式
Elliptic curves and modular form
楕円曲線が少ないという概念は、楕円曲線の全体からなる「楕円曲線のモジュ
ライ空間 moduli space と呼ばれる集合を理解して初めて成立する。
モジュライ空間は、楕円曲線の集合に、ある数学的な解釈をいれたものである。
したがって、それを理解するためには、まず楕円曲線を理解する必要がある。
そして、その前に、数学における図形という概念を理解する必要がある。楕円
曲線も、またその全体集合であるモジュライ空間も、現代数学においては1つ
の図形(多様体)とみなされる。そして、それらは、いずれも、ある空間に群
が作用したときの基本群 fundamental group とみなされるのである。
1.基本領域
数学で用いられる図形の基本的な見方に、普遍被覆空間universal covering
spaceを基本群で割ったものとして図形を解釈する方法がある。
2 次元トーラスを例にとる。2 次元トーラスは、xy 平面 R^2 に次の操作を施し
て得られる図形である。

32:現代数学の系譜 雑談
20/06/23 00:26:30.71 nKssTr8/.net
”「良い素数/悪い素数」(good prime/bad prime)”
URLリンク(www.comp.tmu.ac.jp)
山形大学理学部数理科学科 2014 年度後期「数理


33:情報特選 F/数理科学特別講義 E」講義資料 1 計算する立場からの楕円曲線論入門 The arithmetic of elliptic curves from a viewpoint of computation 横山 俊一1(Shun’ichi Yokoyama) 九州大学大学院 数理学研究院 / JST CREST P6 特異点は 2 種類存在する. 一つは y 2 = x3 のように尖った部分に現れるもので, これをカスプ(cusp) と呼ぶ. もう一つは y2 = x3 + x2 のように自己交差(この場合原点で交差する)を持つもので, こ れをノード(node)と呼ぶ. ?(E) = 0 の時, 特異点がどちらのタイプであるかを判定する規準が存 在する. 命題 2.8. ?(E) = 0(特異点を持つ)と仮定する. この時, 特異点がカスプ型であるための必要十分 条件は c4 = 0 である. また, 特異点がノード型であるための必要十分条件は c4≠ 0 である. Ep はいつも楕円曲線になる(i.e. ?(Ep)≠ 0)とは限らない. 正確には, p が判別式 ?(E) を割り 切るような素数を選んでしまうと ?(Ep) = 0 となる. そこで, 還元しても楕円曲線であり続ける場 合, これを “良い還元” と呼ぶ事にしよう. つづく



34:現代数学の系譜 雑談
20/06/23 00:26:46.40 nKssTr8/.net
>>30
つづき
定義 2.33. Ep が Fp 上の楕円曲線となる(i.e. ?(Ep) ?= 0)時, E は p で良い還元を持つ(has good
reduction at p)と呼ぶ. 逆に Ep に特異点が出現し, Fp 上の楕円曲線でなくなる(i.e. ?(Ep) = 0)
時, E は p で悪い還元を持つ(has bad reduction at p)と呼ぶ.
補足 2.34. 上の状況で, それぞれの p を「良い素数/悪い素数」(good prime/bad prime)と呼ぶ事
もある. ?(E) の素因子のリストは, 悪い素数のリストに一致する.
更に, 悪い還元の時には Ep に特異点が出現するが, その特異点には 2 種類あった事を思い出そう
(命題 2.8 及びその直前の文脈. c4 が 0 か否かでノード型かカスプ型に分かれるのであった). その
ため, 悪い還元を更に 2 つに分類する.
定義 2.35. E が p で悪い還元を持つとする. Ep がノード型の特異点を持つ時, E は p で乗法的(半
安定)還元を持つ(has multiplicative (semistable) reduction at p)と呼ぶ. Ep がカスプ型の特異点
を持つ時, E は p で加法的(不安定)還元を持つ(has additive (unstable) reduction at p)と呼ぶ.
これを用いて導手を定義する. 判別式が「悪い素数のリスト」を与えていたのに対し, 導手は
「悪い素数のリスト+還元の様子」を与えており, しかも不変量となる.
(引用終り)

35:現代数学の系譜 雑談
20/06/23 09:44:26.90 ack77tVS.net
>>25
失敗につき
再投稿
HN設定age(^^;

36:現代数学の系譜 雑談
20/06/24 18:25:47.44 o/pgoU2Q.net
下記の中村博昭先生、いいわ(^^
URLリンク(core.ac.uk)
(1999年度北大集中講義レクチャーノート)
ガロア・タイヒミュラ一群のLEGO理論
中村博昭(述) Series #65. August 2000
(抜粋)
はしがき
このノートは、1999 年6 月7 日~6 丹11 日に北海道大学で集中講義した内容に若干加筆
しでまとめたものである。この講義の主なねらいは、代数曲線のモジュライ空間の基本群
(タイヒミュラーモジュラー群)たちが、リーマン面の退化を通じて、多重な仕方で積み重
なっている様子を、有理数体の絶対ガロア群の表現の言葉で記述することであった。特に、
代数曲線のモジ、ユライ空間に関係する種々の副有限基本群におけるガロア表現が、その最
も基本的な場合である射影直線マイナス3点の場合をうまく組み合わせることで具体的に
記述できる、ということを説明した。この一環としてタイヒミュラーモジュラー幾何学のような
位相幾何と代数幾何が交錯する世界の一面を、ガ口ア理論を通じて群論的な平�


37:ユな言葉で描写 することを試みた。 1 Overview:代数曲線のモジュライとガロア表現 (1) Galois-Teichmuller群 (2) Grothendieck's Philosophy これらが有機的に積み重なって、 Galois-Teichmuller塔 を形成する。Grothendieckは、これの構造を知ること、特に、次元の小さいいくつかの場 合(M0,4, M0,5,M1,1, M1,2) を詳細に研究し、それらをブロック遊び(le jeu de Lego)のよう に積み上げて、一般のMg,nの場合を記述することを提唱した。 (3)パンツ分解、Grothendieck-Teichmuller群とそれらの精密化 位相幾何的にはm.d.c.は、各3(格別)点付きP1成分をパンツと見立てて貼り合わせるこ とによりリーマン面上のpants分解と対応する: 目標は、うまく略という対応を構成して、Galois表現の塔 略 を具体的に記述することである。次の対応、がある: 位相幾何 vs 代数幾何 Pants分解 vs cusp of Mg,n (or max. deg. marked curve) Quilt Q/P vs tangential base point 結論としては、M0.4, M0,5, M1,1, M1,2だけを使って、すべてのMg,n に対するガロア表現 を記述できる。 つづく



38:現代数学の系譜 雑談
20/06/24 18:26:12.59 o/pgoU2Q.net
>>33
つづき
写像類群Γg,o(の超楕円パート)の間に自然な対応が存在するが、双方の曲面上のキルト分
解を両立的にとっておくと、これに関するガロア表現もきれいに対応する形になる。
もうすこし詳しくいうと、曲面上のcircle cに対して、Dehn twistとよばれる標準的な写像類 Dc∈ Γg,nが定まることがよく知られている:
有限個のDehn twistの間だけで関係式を完全に書き下そうとすると、
結構長いwordがでできてしまい、それのチェックは簡単でない。
ところが、すべて
のDehn twists (無限個)を生成元として4タイプの比較的単純な関係式(commutativity,
braid,doughnut,lantern)で済ませるGervais,Luoらの結果を用いることにより、正の各
Dehn twistへの作用を定めることができる。この作用をきちんと定義する際に有効なのが
Hatcher-Thurston複体とよばれる単連結な2次元複体である。この複体は、標点つきリーマン面上の組合せ構造から、
-頂点=全てのpants分解
-辺=コpants分解からpants分解への“move"(2タイプあり;A“move,8-move)
-面=一回りしてもとに戻る一連のmoves(4タイプあり;3A,3S ,5A,6AS)
として構成される複体である。実際には、これをquilt分解たちに対して“リフト"したも
のを用いる。
2 Etale基本群とBelyiの定理
3 Tangential base point
1. Naiveな理解
2. 精細モード
4 Maximally degenerate stable marked curves
Theorem 4.4 (with Y.lhara)
Example 4.7 (種数2で標点なし)
種数2のリーマン商の基本群の標準的な表示式になる。
5 Tate elliptic curveとM1,2
(引用終り)
以上

39:現代数学の系譜 雑談
20/06/24 18:27:59.35 o/pgoU2Q.net
>>33
なにが良いかというと
望月先生のIUTの和文解説に出てくる絵と類似の絵が沢山出てくることと
IUTで使われている概念の 多分類似概念が多数出てくるので、大変参考になる
ざっと見ておくと、目が慣れるでしょうね(^^;

40:現代数学の系譜 雑談
20/06/24 23:19:10.61 b5EBywaq.net
メモ
Inter-universal geometry と ABC予想 (応援スレ) 48
スレリンク(math板)
61 名前:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP [] 投稿日:2020/06/18(木) 17:17:22.36 ID:LPUPFt8f [2/4]
>>57 補足
URLリンク(en.wikipedia.org)
Szpiro's conjecture
Modified Szpiro conjecture
The modified Szpiro conjecture states that: given ε > 0,
there exists a constant C(ε) such that for any elliptic curve E defined over Q with invariants c4, c6 and conductor f (using notation from Tate's algorithm),
we have
max{|c_4|^3 , |c_6|^2 } =< C( ε )・ f^{6+ε}
URLリンク(en.wikipedia.org)
Tate's algorithm
In the theory of elliptic curves, Tate's algorithm takes as input an integral model of an elliptic curve E over Q }Q , or more generally an algebraic number field, and a prime or prime ideal p. It returns the exponent fp of p in the conductor of E, the type of reduction at p, the local index
cp=[E(Q p):E^0(Q p)],
where E^0(Q p) is the group of Q p}Q p-points whose reduction mod p is a non-singular point.
Also, the algorithm determines whether or not the given integral model is minimal at p, and, if not, returns an integral model with integral coefficients for which the valuation at p of the discriminant is minimal.
Tate's algorithm also gives the structure of the singular fibers given by the Kodaira symbol or Neron symbol, for which, see elliptic surfaces: in turn this determines the exponent fp of the conductor E.
Tate's algorithm can be greatly simplified if the characteristic of the residue class field is not 2 or 3; in this case the type and c and f can be read off from the valuations of j and Δ (defined below).
Tate's algorithm was introduced by John Tate (1975) as an improvement of the description of the Neron model of an elliptic curve by Neron (1964).
つづく

41:現代数学の系譜 雑談
20/06/24 23:20:01.80 b5EBywaq.net
>>36
Inter-universal geometry と ABC予想 (応援スレ) 48
スレリンク(math板)
62 名前:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP [] 投稿日:2020/06/18(木) 17:18:11.72 ID:LPUPFt8f [3/4]
>>61
つづき
Contents
1 Notation
2 The algorithm
3 Implementations
Notation
Assume that all the coefficients of the equation of the curve lie in a complete discrete valuation ring R with perfect residue field and maximal ideal generated by a prime π. The elliptic curve is given by the equation
y^2+a1xy+a3y=x^3+a2x^2+a4x+a6.
Define:
a{i,m}=a_{i}/π^m
b2=a1^2+4a2
b4=a1a3+2a4
b6=a3^2+4a6
b8=a1^2a6-a1a3a4+4a2a6+a2a3^2-a4^2
c4=b2^2-24b4
c6=-b2^3+36b2b4-216b6
Δ =-b2^2b8-8b4^3-27b6^2+9b2b4b6
j=c4^3/Δ .
Implementations
The algorithm is implemented for algebraic number fields in the PARI/GP computer algebra system, available through the function elllocalred.
(引用終り)
以上

42:現代数学の系譜 雑談
20/06/24 23:22:53.16 b5EBywaq.net
メモ
Inter-universal geometry と ABC予想 (応援スレ) 47
スレリンク(math板)
110 名前:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP [sage] 投稿日:2020/05/28(木) 15:28:24.71 ID:LOTC0/EA
下記 中村 円分指標 Tate 加群 Z?(1)= 星 円分物 Tate 捻り “Zb(1)”か(^^;
前スレ46 スレリンク(math板:695番) より
URLリンク(mathsoc.jp)
日本数学会 代数学分科会 ホームページ
URLリンク(mathsoc.jp)
代数学シンポジウム関連情報
第63回 代数学シンポジウム
2018年9月3日(月)~9月6日(木)
URLリンク(mathsoc.jp)
グロタンディーク・タイヒミュラー理論の話題から 中村博昭(大阪大学理学研究科)
URLリンク(mathsoc.jp)
第63回代数学シンポジウム報告集 - 日本数学会 報告集講演統合版(2019年1月発行)(pdf file)
(*)14:45-15:45 中村 博昭(大阪大学 理学研究科). 「グロタンディーク・タイヒミュラー理論の話題から」
1.1. 円分指標. 最初の重要な関数は 円分指標 χ : GQ → Z?× と呼ばれるもので,1の冪
根 ζn = e2πi/n ∈ Q への GQ の作用を体現する:より正確には,各 σ ∈ GQ に対して
χ(σ) ∈ Z?× を,σ(ζn) = ζχ(σ) mod n n (n ? 1) によって定める.GQ が円分指標倍で作用する
加群 Z? を 1 階の Tate 加群といい,Z?(1) とかく.円分指標は,数論的基本群においては,
代数多様体から因子を取り除いた状況でいたるところで現れる.その理由は典型的な場合
X = Gm = P1 ? {0,∞} をモデルとして説明できる:その数論的基本群 πQ は,ローラン
級数体 ∪nQ((t1/n)) の自己同型のうち, 係数への GQ 作用と,穴の周りを一周するループに
対応する元 x : t1/n → t1/nζ?1n(n ? 1) とで生成される半直積群 πQ = GQ ? ?x? と同一視
され,幾何的基本群 π1 = ?x? ?= Z? への GQ の作用は円分(指標倍による)作用に他なら
ないことが確かめられる (Branch cycle argument). すなわち πQ = GQ ? Z?(1).
つづく

43:現代数学の系譜 雑談
20/06/24 23:26:05.24 b5EBywaq.net
>>38
つづき
前スレ46 スレリンク(math板:685番) より
URLリンク(repository.kulib.kyoto-u.ac.jp)
宇宙際Teichmuller理論入門(On the examination and further development of inter-universal Teichmuller theory)
星 裕一郎 Aug-2019 数理解析研究所講究録別冊 B76
(抜粋)
P83
§ 1. 円分物
この §1 では, その対象の輸送の遂行の際に重要な役割を果たす 円分
物 (cyclotome) という概念についての解説を行います.
円分物とは何でしょうか. それは Tate 捻り “Zb(1)” のことです. 広義には, Zb(1) の
商や, あるいは, “(Q/Z)(1)” という可除な変種も円分物と呼ばれます. 遠アーベル幾何学
において, この円分物の “管理” は非常に重要です. この点について, もう少し説明しましょう.
(引用終り)
冒頭からワカランw(^^;
Tate 捻り “Zb(1)”? 下記かな?
URLリンク(en.wikipedia.org)
Tate twist
(抜粋)
In number theory and algebraic geometry, the Tate twist,[1] named after John Tate, is an operation on Galois modules.
For example, if K is a field, GK is its absolute Galois group, and ρ : GK → AutQp(V) is a representation of GK on a finite-dimensional vector space V over the field Qp of p-adic numbers, then the Tate twist of V, denoted V(1), is the representation on the tensor product V?Qp(1), where Qp(1) is the p-adic cyclotomic character
(i.e. the Tate module of the group of roots of unity in the separable closure Ks of K).
More generally, if m is a positive integer, the mth Tate twist of V, denoted V(m), is the tensor product of V with the m-fold tensor product of Qp(1).
Denoting by Qp(?1) the dual representation of Qp(1), the -mth Tate twist of V can be defined as
V ◯X Q_p(-1)^{◯X m}.
References
'The Tate Twist', in Lecture Notes in Mathematics', Vol 1604, 1995, Springer, Berlin p.98-102
(引用終り)
以上

44:現代数学の系譜 雑談
20/06/25 07:22:39.99 odZewMPY.net
下記 (2015-02)は、目を通しておくと良いと思う
URLリンク(www.kurims.kyoto-u.ac.jp)
望月 出張・講演
URLリンク(www.kurims.kyoto-u.ac.jp)(2015-02).pdf
宇宙際タイヒミューラー理論への誘(いざな)い (2015-02) (京都大学数理解析研究所 2015年02月)
P4 辺りに q^(j^2)の話が出てくる

45:現代数学の系譜 雑談
20/06/26 06:45:35.87 zl2qUDG1.net
>>40
"Hodge Arakelov 基本定理 ガウス積分"
URLリンク(ja.wikipedia.org)
ホッジ・アラケロフ理論
楕円曲線のホッジ・アラケロフ理論は、アラケロフ理論(英語版)(Arakelov theory)のフレームワークで考える p-進ホッジ理論(英語版)(p-adic Hodge thory)の楕円曲線についての類似理論である。ホッジ・アラケロフ理論は、 Mochizuki (1999) で導入された。
望月の主要な結果であるホッジ・アラケロフ理論の比較定理は、(大まかには)標数 0 の滑らかな楕円曲線の普遍拡大上の次数が d 未満の多項式の空間は、自然に d-捩れ点上の函数の d^2-次元空間に(制限によって)同型となるという定理である。
ド・ラームコホモロジーを複素多様体の特異コホモロジーや、p-進多様体のエタール・コホモロジーに関連付けるコホモロジー論の比較定理のアラケロフ理論の類似物である。
Mochizuki (1999) と Mochizuki (2002a)で、彼は数論的小平・スペンサー写像やガウス・マーニン接続(英語版)(Gauss-Manin connection)が、ヴォイタ予想やABC予想などに重要なヒントを与えるのではないかと指摘している。
Mochizuki, Shinichi (2002a), “A survey of the Hodge-Arakelov theory of elliptic curves. I”, in Fried, Michael D.; Ihara, Yasutaka, Arithmetic fundamental groups and noncommutative algebra (Berkeley, CA, 1999), Proc. Sympos. Pure Math., 70, Providence, R.I.: American Mathematical Society, pp. 533?569, ISBN 978-0-8218-2036-0, MR1935421
URLリンク(www.kurims.kyoto-u.ac.jp)
A Survey of the
Hodge-Arakelov Theory of Elliptic Curves I
Shinichi Mochizuki
October 2000
§1.5. Future Directions
§1.5.1 Gaussian Poles and Diophantine Applications
つづく

46:現代数学の系譜 雑談
20/06/26 06:46:07.90 zl2qUDG1.net
>>41
つづき
In some sense, the most fundamental outstanding problem left unsolved in
[Mzk1] is the following:
How can one get rid of the Gaussian poles (cf. §1)?
For instance, if one could get rid of the Gaussian poles in Theorem A, there
would be substantial hope of applying Theorem A to the ABC (or, equivalently,
Szpiro’s) Conjecture.
Section 2: The Theta Convolution
In fact, returning to the theory of the Gaussian on the real line, one may
recall that one “important number” that arises in this theory is the integral of the
Gaussian (over the real line). This integral is (roughly speaking) √π. On the other
hand, in the theory of [Mzk2], Gaussians correspond to “discrete Gaussians” (cf.
[Mzk2], §2), so integrals of Gaussians correspond to “Gauss sums.” That is to say,
Gauss sums may be thought of as a sort of discrete analogue of √π. Thus, the
appearance of Gauss sums in the theory of [Mzk2] is also natural from the point of
view of the analogy of the theory of [Mzk1] with the classical theory of Gaussians
and their derivatives (cf. §1.2).
(引用終り)
以上

47:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/26 07:30:43 zl2qUDG1.net
参考
URLリンク(ja.wikipedia.org)
p進数
(抜粋)
有理数の体系を実数や複素数の体系に拡張するのとは別の方法で、各素数 p に対して p 進数の体系が構成される。それらは有理数のつくる空間の局所的な姿を記述していると考えられ、数学の中でも特に数論において重要な役割を果たす。数学のみならず、素粒子物理学の理論などで使われることもある(例えば p 進量子力学を参照)。

「p 進数」とは「2進数」や「3進数」の総称に過ぎないので、文字 p がすでに他の場所で用いられている場合、q 進数や l 進数などと表現されることもある。

なお、自然数や実数を 0 と 1 で表現する方法(2進法)やその結果得られる記号列(2進列)も「2進数」と呼ぶ場合があるが、本項の意味での「2進数」とは異なる。

つづく

48:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/26 07:32:59 zl2qUDG1.net
>>43
つづき

概要
有理数体 Q から実数体 R を構成するには、通常の絶対値の定める距離 d∞(x, y) = | x - y | に関して有理数体を完備化するのであった。
それに対し、p 進付値より定まる距離(p 進距離)dp によって有理数体を完備化したものが p 進数体 Qp である。p 進数と実数は異なる特徴を持つ別々の数体系である一方で、数論においては極めて深い関係を持つ対象であると捉えられる。
有理数から実数を構成する過程は、小数展開に循環しない可算無限桁を許すことを意味する。
p 進数体 Qp における小数展開の類似物は p 進展開である。p 進数の中で考えた有理数は p の高い冪を因数に含めば含むほど小さいと考えられ、p 進数の p 進展開は、p 進整数(ぴーしんせいすう、p-adic integer)を可算無限桁の整数と捉える見方を与える。
これにより、実数の場合と並行して、p 進数は有理数の算術まで込めた拡張であることを見ることができる。

実数体 R と p 進数体 Qp をひとまとまりにしたアデールの概念が扱われることもある。
有理数体のアデール AQ は簡単に言えば、実数体 R と全ての素数 p にわたる p 進数体 Qp との位相まで込めた直積である。
有理数体 Q はそのアデール AQ のなかに(対角線に)埋め込むことができる。
有理数体をアデールに埋め込んで考えることは、有理数体を素数(と無限遠)を点とする空間 Spec Z 上の代数関数体として捉えるという視点を与える。
ここでは、Qp は有限素点 p における局所的な振る舞いを、R は無限遠での振る舞いを表すものとして並行に扱われる。このような解析的な取り扱いにおいては、p 進展開はテイラー展開の類似物であると考えられる。

実数体と p 進数体は有理数体の完備化であるが、一般の代数体でも同様の完備化が考えられる。
以上

49:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 18:06:58.85 jEjJjPRO.net
「タイヒミュラー空間の基礎のキソ」なるほど
URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
川平 友規 Tomoki Kawahira / Department of Mathematics / Tokyo Institute of Technology
URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
タイヒミュラー空間の基礎のキソ
名古屋大学大学院多元数理科学研究科
川平 友規
第47回函数論サマーセミナー
2012年8月27日

50:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 18:20:32.87 jEjJjPRO.net
これは、あまり関係なさそうだが、貼る
メモ
「複素力学系におけるラミネーション理論 変形と剛性」
URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
川平 友規 Tomoki Kawahira / Department of Mathematics / Tokyo Institute of Technology
URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
複素力学系におけるラミネーション理論 変形と剛性
1 December 2009
名古屋大学大学院多元数理科学研究科
川平 友規

51:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 18:35:51.11 jEjJjPRO.net
URLリンク(bluexlab.tokyo)
bluexlab
2019.10.03 2019.10.04MATH
パーフェクトイド空間(Perfectoid Spaces)とは?理論の概要と参考文献をご紹介【数論幾何の天才Peter Scholze氏の理論】
(抜粋)
「パーフェクトイド空間って一体何?」、「最近、数論幾何の分野でよく聞くパーフェクトイド空間って?」
こんな疑問に大学院でパーフェクトイド空間(Perfectoid Spaces)を研究していた僕がお答えします。
※このブログの他の数学関連の記事と同じように、この記事でも数学的な正確さよりも”なんとなくの雰囲気”重視で書いているため、数学的に不正確な表現や定義があることはご了承ください。
パーフェクトイド空間(Perfectoid spaces)への準備
コホモロジーを使うことで、昔から考えられている数学の問題を”コホモロジーの言葉に変換”して考え直すことができたり、代数幾何だけでなく整数論など他の数学の分野にも応用することができます。
現代の数学(特に、整数論や代数幾何、数論幾何)はこのコホモロジーの研究といっても過言ではないくらいに大切な概念になります。
パーフェクトイド空間(Perfectoid spaces)とは?
これでようやくパーフェクトイド空間の話に戻ってこれます。
代数幾何では多項式で定義された図形をコホモロジーを駆使して研究する分野でした。
パーフェクトイド空間
では、パーフェクトイド空間とは何かと言うと、次のようなp冪の多項式で定義される図形のことを指します。
1/x+p+p2x+……
1/xp+1+px+……
1/xp2+1/xp+……
パーフェクトイド空間では、素数pでたくさん割れる多項式ばかりを考えることになります。
そうすることでいったい何が良いのかと言うと、
パーフェクトイド空間を考えると(使うと)コホモロジーが調べやすくなる
という点が挙げられます。
つづく

52:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 18:36:16.82 jEjJjPRO.net
>>47
つづき
パーフェクトイド空間を使うと、コホモロジーが調べやすくなると言いましたが、これはどういう事か簡単に説明します。
冒頭で体の標数の話を出しましたが、代数幾何や数論幾何で図形を考えるとき(=多項式を考えるとき)、その多項式の係数がどの標数の体のものかというのが重要になってきます。
つまり、標数0の体係数の多項式を考えているのか? それとも標数pの体係数の多項式を考えているのか? ということが大事になるということです。
ところがこれがパーフェクトイド空間の場合では標数0だろうと標数pだろうと関係ない(と言うと乱暴ですが、、、)という性質が発見されています。
もう少し言うと、パーフェクトイド空間の世界では標数0の体と標数pの体を同じものとして扱うことができると言うことがScholzeによって証明されています(これはTilting対応と呼ばれています)。
このTilting対応を使うことで今までよりもずっと簡単に、広くコホモロジーを調べることが可能になりました。
パーフェクトイド空間を使うと、コホモロジーが調べやすくなると言いましたが、これはどういう事か簡単に説明します。
冒頭で体の標数の話を出しましたが、代数幾何や数論幾何で図形を考えるとき(=多項式を考えるとき)、その多項式の係数がどの標数の体のものかというのが重要になってきます。
つまり、標数0の体係数の多項式を考えているのか? それとも標数pの体係数の多項式を考えているのか? ということが大事になるということです。
ところがこれがパーフェクトイド空間の場合では標数0だろうと標数pだろうと関係ない(と言うと乱暴ですが、、、)という性質が発見されています。
もう少し言うと、パーフェクトイド空間の世界では標数0の体と標数pの体を同じものとして扱うことができると言うことがScholzeによって証明されています(これはTilting対応と呼ばれています)。
このTilting対応を使うことで今までよりもずっと簡単に、広くコホモロジーを調べることが可能になりました。
パーフェクトイド空間の勉強をしたい方への参考文献
(引用終り)
以上

53:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 21:49:52.32 jEjJjPRO.net
>>45 追加
URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
川平 友規 Tomoki Kawahira / Department of Mathematics / Tokyo Institute of Technology
URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
複素解析特論 I (タイヒミュラー空間入門)
2011年度前期,大学院生対象.
シラバスおよび講義ノートはこちらです:
(第1~6回) URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
(第7回~第13回) URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
第13回(2011/7/26) 正則2次微分とタイヒミュラーの定理
ベアス埋め込みについて簡単に復習したあと, タ空間に複素構造を導入する方法を説明しました. そのあと,正則2次微分が定めるリーマン面上の葉層構造と, 「アファイン・ストレッチ」による変形として タイヒミュラー写像を導入し,タイヒミュラーの定理を 証明無しで述べました. 最後に簡単なアンケートをとりました. 最後まで授業に出てくれたみなさん, お疲れさま,そしてありがとうございました.
(2011/7/19) 休講
第12回(2011/7/12) ベアス埋め込み
先週やりのこしたタ距離の完備性などを解説し, ベアス埋め込みについて概説しました. タ空間が複素多様体とみなせる,という部分は次回に.
第11回(2011/7/5) フックス群のタイヒミュラー空間と タイヒミュラー距離
フックス群のタ空間を定義し, それがもとのタ空間と同一視できることを確認. それからタ距離を定義しました.
第10回(2011/6/28) タイヒミュラー空間とモジュライ空間
モジュライ空間がタ空間のモジュラー群による商空間 とみなせることをやりました. トーラスのタ空間が上半平面とみなせることを紹介しました.
第9回(2011/6/21) タイヒミュラー空間の定義
まず例外型リーマン面について述べた後, 写像の持ち上げの構成法と写像のホモトピーの定義を確認. 残り15分で,長い道のりでしたが,やっとタ空間を定義しました.
つづく

54:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 21:50:11.61 jEjJjPRO.net
>>49
つづき
第8回(2011/6/14) 一意化定理
任意のリーマン面がごく簡単な単連結リーマン面 を自己同型で割った空間としてモデル化できることを示しました.
第7回(2011/6/7) リーマン面の基本群と普遍被覆
与えられたリーマン面にたいし,基本群と普遍被覆(面) を定義しました.とくに,普遍被覆が 連結かつ単連結リーマン面になることを確認しました.
第6回(2011/5/31) ベルトラミ方程式と擬等角写像
まずACL性を使って擬等角写像を定義し,その性質を解説しました. ベルトラミ方程式の解の存在,一意性,連続性(ベルトラミ微分に 解が連続に依存すること)を定理の形で述べました. (時間の都合で,このへんの話はほとんど証明なしで使います.)
第5回(2011/5/24) ベルトラミ微分とベルトラミ方程式
空間のなかに埋め込まれた滑らかな曲面をリーマン面とみなせるか, という問題(ガウス)を紹介し, ベルトラミ方程式,ベルトラミ微分の概念を導入しました.
第4回(2011/5/17) 正則・有理形微分とリーマン・ロッホの定理
タイヒミュラー空間を入れる箱(建物)として, 正則2次微分のなすベクトル空間を導入し, その次元を計算しました.
第3回(2011/5/10) リーマン面での微分・積分 2
一般の(m,n)微分と(1,0)微分の積分を定義し,その意義を解説しました.
第2回(2011/4/26) リーマン面での微分・積分 1
格子によるトーラスの構成について簡単にふれたあと, リーマン面上の正則関数,速度(接)ベクトル,接空間を定義しました. また,リーマン面間の写像にたいし,その微分を定義しました.
第1回(2011/4/19) リーマン面
リーマン面の定義と具体例(リーマン球面,トーラス,アニュラス)をやりました.
(引用終り)
以上

55:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 23:01:24.66 jEjJjPRO.net
”Teichmuller space” 良く纏まっている
URLリンク(en.wikipedia.org)
Teichmuller space
The geometric vein in the study of Teichmuller space was revived following the work of William Thurston in the late seventies, who introduced a geometric compactification which he used in his study of the mapping class group of a surface.
Other more combinatorial objects associated to this group (in particular the curve complex) have also been related to Teichmuller space, and this is a very active subject of research in geometric group theory.
Quadratic differentials and the Bers embedding
Main article: Schwarzian derivative
Main article: Bers slice
URLリンク(upload.wikimedia.org)


56:tung.png/220px-Bers-Einbettung.png Image of the Bers embedding of a punctured torus' 2-dimensional Teichmuller space https://en.wikipedia.org/wiki/Moduli_of_algebraic_curves Moduli of algebraic curves つづく



57:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 23:02:30.33 jEjJjPRO.net
>>51
つづき
In algebraic geometry, a moduli space of (algebraic) curves is a geometric space (typically a scheme or an algebraic stack) whose points represent isomorphism classes of algebraic curves. It is thus a special case of a moduli space. Depending on the restrictions applied to the classes of algebraic curves considered, the corresponding moduli problem and the moduli space is different. One also distinguishes between fine and coarse moduli spaces for the same moduli problem.
The most basic problem is that of moduli of smooth complete curves of a fixed genus. Over the field of complex numbers these correspond precisely to compact Riemann surfaces of the given genus, for which Bernhard Riemann proved the first results about moduli spaces, in particular their dimensions ("number of parameters on which the complex structure depends").
Genus 1
Main article: Moduli stack of elliptic curves
つづく

58:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 23:03:08.86 jEjJjPRO.net
>>52
つづき
Boundary geometry
Here the vertices of the graph correspond to irreducible components of the nodal curve, the labelling of a vertex is the arithmetic genus of the corresponding component, edges correspond to nodes of the curve and the half-edges correspond to the markings.
The closure of the locus of curves with a given dual graph in {\displaystyle {\overline {\mathcal {M}}}_{g,n}}\overline {{\mathcal {M}}}_{{g,n}} is isomorphic to the stack quotient of a product {\displaystyle \prod _{v}{\overline {\mathcal {M}}}_{g_{v},n_{v}}}\prod _{v}\overline {{\mathcal {M}}}_{{g_{v},n_{v}}} of compactified moduli spaces of curves by a finite group.
In the product the factor corresponding to a vertex v has genus gv taken from the labelling and number of markings {\displaystyle n_{v}}{\displaystyle n_{v}} equal to the number of outgoing edges and half-edges at v. The total genus g is the sum of the gv plus the number of closed cycles in the graph.
URLリンク(en.wikipedia.org)
Moduli stack of elliptic curves
(引用終り)
以上

59:現代数学の系譜 雑談
20/06/27 23:11:05.46 jEjJjPRO.net
>>49
下記は参考になるね(いま手元にあるが)
URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
川平 友規 Tomoki Kawahira / Department of Mathematics / Tokyo Institute of Technology
URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
基礎講座・複素関数(『数学セミナー』2014年4月号~2015年3月号)
複素関数論の基礎から初めて, 後半はリーマン面について解説しました.
第12回( 2015年3月号)  群で作るリーマン面
● 1次分数変換の部分群を複素平面に作用させて, トーラス,格子トーラス, 種数 2 の閉リーマン面を具体的に構成します.

60:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/06/28 13:58:16 bfBvt+85.net
Inter-universal geometry と ABC予想 53 より
スレリンク(math板:966番)
URLリンク(www.jstage.jst.go.jp)

URLリンク(www.jstage.jst.go.jp)
J-STAGEトップ/電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundament .../6 巻 (2012) 3 号/書誌
ごあいさつ
ABC予想と最後の審判
? Inter-Universalな世界観 ?
白木 善尚
URLリンク(www.jstage.jst.go.jp)

URLリンク(www.ieice.org)
ABC 予想とフーリエ向井変換が切り拓く西暦 2050 年の活性化社会
The Image of Active 2050 Society via the ABC Conjecture and the Fourier Mukai Transform (FMT)
2013 年�


61:@電子情報通信学会総合大会 白木善尚 Yoshinao Shiraki ロードマップ委員会 基礎・境界ソサイエティ The Roadmap Committee, IEICE Engineering Sciences



62:現代数学の系譜 雑談
20/06/28 16:25:58.64 bfBvt+85.net
>>51
>URLリンク(upload.wikimedia.org)
>Image of the Bers embedding of a punctured torus' 2-dimensional Teichmuller space
この図と川平 友規 URLリンク(www.math.titech.ac.jp)
基礎講座・複素関数(『数学セミナー』2014年4月号~2015年3月号)
複素関数論の基礎から初めて, 後半はリーマン面について解説しました.
第12回( 2015年3月号)  群で作るリーマン面
のP80 図7が似ている
基本は同じかも

63:現代数学の系譜 雑談
20/06/28 17:20:05.27 bfBvt+85.net
参考
URLリンク(waseda.pure.elsevier.com)
URLリンク(www.ams.org)
URLリンク(www.ams.org)
CONFORMAL GEOMETRY AND DYNAMICS
An Electronic Journal of the American Mathematical Society
Volume 8, Pages 115?142 (June 8, 2004)
S 1088-4173(04)00108-0
BERS EMBEDDING OF THE TEICHMULLER SPACE ¨
OF A ONCE-PUNCTURED TORUS
YOHEI KOMORI AND TOSHIYUKI SUGAWA
Abstract. In this note, we present a method of computing monodromies of
projective structures on a once-punctured torus. This leads to an algorithm
numerically visualizing the shape of the Bers embedding of a one-dimensional
Teichm¨uller space. As a by-product, the value of the accessory parameter of
a four-times punctured sphere will be calculated in a numerical way as well
as the generators of a Fuchsian group uniformizing it. Finally, we observe the
relation between the Schwarzian differential equation and Heun’s differential
equation in this special case.
URLリンク(arimoto.lolipop.jp)
Introduction to Teichm¨uller Spaces
Jing Tao
Notes by Serena Yuan
URLリンク(www.acadsci.fi)
Annales Academia Scientiarum Fennica
Mathematica
Volumen 24, 1999, 305?342
THE OUTSIDE OF THE TEICHMULLER SPACE OF ¨
PUNCTURED TORI IN MASKIT’S EMBEDDING
Jouni Parkkonen
Universityof Jyv¨askyl¨a, Department of Mathematics
つづく

64:現代数学の系譜 雑談
20/06/28 17:20:30.55 bfBvt+85.net
>>57
つづき
URLリンク(www.maths.gla.ac.uk)
TOY TEICHMULLER SPACES OF REAL DIMENSION 2:
THE PENTAGON AND THE PUNCTURED TRIANGLE
YUDONG CHEN, ROMAN CHERNOV, MARCO FLORES, MAXIME FORTIER BOURQUE,
SEEWOO LEE, AND BOWEN YANG
ABSTRACT. We study two 2-dimensional Teichmuller spaces of surfaces with
boundary and marked points, namely, the pentagon and the punctured triangle.
We show that their geometry is quite different from Teichmuller spaces of closed
surfaces. Indeed, both spaces are exhausted by regular convex geodesic polygons
with a fixed number of sides, and their geodesics diverge at most linearly.
URLリンク(en.wikipedia.org)
Orbifold
URLリンク(webcache.googleusercontent.com)
Orbifold のトポロジーと幾何学 pantodon.shinshu-u.ac.jp ? topology ? literature ?
以上

65:現代数学の系譜 雑談
20/06/28 23:08:29.13 bfBvt+85.net
メモ貼る
大学のテキストなどが望ましいが、とりあえず
URLリンク(tkenichi.hatenablog.jp)
tkenichi の日記
2014-01-12
穴あき曲面の展開
閉曲面(いわゆる境界のないコンパクトな曲面)の分類はよく知られていて、曲面に切れ目を入れて展開した多角形を張り合わせることで表現することができる。向き付け可能な場合は球面またはg個のトーラスの連結和として表すことができ、多角形の張り合わせで表現する場合は、以下のようになる。
向き付け不可能な場合は、射影空間のk個の連結和としてあらわすことができる。多角形の張り合わせで表現する場合は、以下のようになる。
さて、閉曲面から開円板を取り除いた境界つきの曲面の多角形表現を考えよう。ここでは、展開した多角形の頂点(張り合わせたときに曲面上の1点になる)を含むように開円板をとる。すなわち、開円板の境界が展開した多角形のすべての辺と交叉する場合を考える。向き付け可能な場合は以下のようになる。
向き付け不可能な場合は以下のようになる。
曲面 オイラー数 多角形展開した時の辺の個数
g 個のトーラスの連結和 2-2g 4g
k 個のトーラスの連結和 2-k 2k
g 個のトーラスの連結和から開円板を除いたもの 1-2g 8g
k 個のトーラスの連結和から開円板を除いたもの 1-k 4k
拡張された三角形分割の個数を数えるには、境界つきの曲面の多角形表現で、境界上にすべての頂点があるような場合で、展開した多角形を平面上の三角形分割すればよい。ただし、重複するものが現れるので、それを除く必要がある。

66:現代数学の系譜 雑談
20/06/28 23:13:32.07 bfBvt+85.net
メモ
URLリンク(ja.wikipedia.org)
ポワンカレ計量
二次元の負曲率一定曲面を記述する計量テンソルである。この計量は、双曲幾何やリーマン面において様々な計算を展開する際に広く用いられる。
二次元の双曲幾何の表現には、互いに同値な三種類がよく用いられる。
ひとつは上半平面上の双曲空間のモデルを与えるポアンカレ上半平面模型、
もうひとつは単位円板上の双曲空間のモデルを与えるポアンカレ円板模型であり、
このふたつは等角写像(共形写像)およびメビウス変換によって与えられる等距写像によって関連付けられる。
いまひとつの表現は穴あき円板上のもので、その関係性はq-類似によっても表される。以下これらについて述べる。
目次
1 リーマン面上の計量についての概観
2 ポアンカレ平面上の計量と体積要素
3 平面から円板への等角写像
4 ポアンカレ円板上の計量と体積要素
5 穴あき円板模型
6 シュヴァルツの補題
穴あき円板模型
上半平面から円板への写像でもう一つ広く用いられるものが、q-写像
q=exp(iπτ)
である。ここに q はノームで τ は半周期比を表す。
前節での記法を用いれば、τ は上半平面 Im?τ における座標である。
q = 0 はこの写像の像に含まれないから、この写像は穴あき円板に値を取るものになっていることに注意。

67:現代数学の系譜 雑談
20/06/29 07:17:58.73 zK2xtwvj.net
>>60
追加
これは知っておいた方がいいかも
URLリンク(ja.wikipedia.org)
ポワンカレ計量
(抜粋)
3 平面から円板への等角写像
ポアンカレ上半平面はポアンカレ円板上にメビウス変換
w=e^{iΦ} {z-z_0}/{z-z ̄_0}
によって等角的に写すことができる。ここで w は、上半平面上の点 z に対応する単位円板上の点である。
この写像において、定数 z0 は上半平面上の任意の点とすることができる(この点が単位円板の中心に写る)。
実軸 Im?z =0 は単位円板の周 |w| = 1 に写る。また、実定数 φ は任意に決まった量だけ円板を回転させるため�


68:ノ用いられる。 虚数単位 i を円板の中心に、0 を円板の最下点に写す標準写像(標準座標系)は w= {iz+1}/{z+i} で与えられる。



69:現代数学の系譜 雑談
20/06/29 07:29:59.79 zK2xtwvj.net
上半平面 H は、良く出てくる
双曲幾何と関連しています
URLリンク(ja.wikipedia.org)
ポワンカレの上半平面モデル
半平面模型の星型正七角形による敷詰
URLリンク(upload.wikimedia.org)
非ユークリッド幾何学におけるポワンカレ半平面模型(はんへいめんもけい、英: Poincare half-plane model)は、上半平面(以下 H と記す)にポワンカレ計量と呼ばれる計量をあわせて考えたもので、二次元双曲幾何学のモデルを形成する。
名称はアンリ・ポワンカレに因むものだが、そもそもはベルトラミが、クライン模型・(リーマンによる)ポワンカレ円板模型とともに、双曲幾何学がユークリッド幾何学に無矛盾等価(英語版)であることを示すために用いたものである。円板模型と半平面模型とは共形写像のもとで同型である。
目次
1 対称性の群
2 等距対称性
3 測地線
対称性の群
射影線型群 PGL(2,C) はリーマン球面に一次分数変換で作用する。この群の部分群で上半平面 H を H 自身の上に移すものは、すべての係数が実数であるような変換全体の成す群 PSL(2, R) で、その作用は上半平面上推移的かつ等距ゆえ、上半平面はこの作用に関する等質空間となる。
つづく

70:現代数学の系譜 雑談
20/06/29 07:30:36.01 zK2xtwvj.net
>>62
つづき
上半平面に一次分数変換で作用し、かつその双曲距離を保つリー群としては、近しい関係にあるものが4つ存在する。
・特殊線型群 SL(2, R): 成分が実数の 2 × 2-行列でその行列式が 1 であるもの全体の成す群。多くの文献で、実際には PSL(2, R) を意味するところをしばしば SL(2, R) と言っている場合があるので注意。
・群 S*L(2, R): 成分が実数の 2 × 2-行列でその行列式が 1 または ? 1 であるもの全体の成す群。SL(2, R) はこの群の部分群である。
・射影特殊線型群 PSL(2, R) = SL(2, R)/{±I}: SL(2, R) に属する行列を単位行列の ±1-倍を掛ける違いを除いて考えた同値類全体の成す群。
・群 PS*L(2, R) = S*L(2, R)/{±I} = PGL(2, R): 群 S*L(2, R) に属する行列を同様に単位行列の ±1-倍を掛ける違いを除いて考えた同値類全体の成す群はそれ自身射影群である。PSL(2, R) は指数 2 の正規部分群を含み、それによるその部分群自身とは異なるもう一方の剰余類は、成分が実数の 2 × 2-行列で単位行列の ±1-倍を掛ける違いを除いてその行列式が ?1 となるもの全体の成す集合である。
ポワンカレ模型におけるこれらの群の関係は以下のようなものである。
・しばしば Isom(H) と書かれる H の等距変換全体の成す群は PS*L(2,R) に同型である。これは向きを保つものも逆にするものも含まれている。向きを逆にする変換(ミラー変換)は z→ -z ̄ である。
・しばしば Isom+(H) と書かれる H の向きを保つ等距変換全体の成す群は PSL(2, R) に同型である。
等距変換群の重要な部分群にフックス群がある。
モジュラー群 SL(2,Z) を考えることもよくある。この群は二つの面で重要である。ひとつは、それが 2 × 2 の格子点の成す正方形の対称性の群であり、したがってモジュラー形式や楕円函数のような正方格子上に周期を持つ函数には、その格子から SL(2, Z)-対称性が継承されることである。もうひとつは、SL(2, Z) はもちろん SL(2,R) の部分群なので、その双曲的振舞いも持っていることである。特に SL(2, Z) は双曲平面を等価なポワンカレ領域の胞体に分割することができる。
(引用終り)
以上

71:ID:1lEWVa2s
20/06/29 15:32:48.84 gnlHkMTE.net
どいつもこいつも0でごまかすような。

72:現代数学の系譜 雑談
20/06/30 23:24:25.70 ult3TIYS.net
URLリンク(language-and-engineering.hatenablog.jp)
主に言語とシステム開発に関して
数学の「ABC予想」の証明の


73:原論文PDFと,わかりやすい解説資料。「宇宙際タイヒミュラー理論」 数学 数論 予想や未解決の難問 講義ノート



74:現代数学の系譜 雑談
20/06/30 23:29:09.05 ult3TIYS.net
URLリンク(blog.livedoor.jp)
【数学】ABC予想ニュース【最新情報】
2018年01月24日
宇宙際タイヒミュラー理論のまとめWiki
(2018.1.24更新)

75:現代数学の系譜 雑談
20/07/01 07:34:57.77 ccoy8kKe.net
星裕一の論文
宇宙際 Teichmuller 理論入門 PDF (2019) (Indexあり)URLリンク(repository.kulib.kyoto-u.ac.jp)
(抜粋)
P177
§ 27. まとめ
最後に, 本稿で行われた議論を, 後半で説明した “Hodge 劇場の構成” の観点からまとめて, 本稿を終えましょう:
・ ある Diophantus 幾何学的定理 (§4 の冒頭で述べた主張を参照) を証明するためには,
(a) 対数殻
(b) 楕円曲線の q パラメータの (1 より大きい) ある有理数による巾
(c) 数体
という 3 つの対象の (ある適切な設定における) 多輻的な表示 の存在を証明すれば充分である.
(§4 から §8 の議論や §12 の議論の一部を参照.)
・ (b) と (c) の多輻的な表示を得るためには, 正則構造から単解構造への移行によって生じる不定性から,
(b) と (c) を防護/隔離しなければならない.
そのために, (b) と (c)を, “ただの数” としてではなく “ある適切な関数の特殊値” として扱う.
そのような関数として, (b) に対してテータ関数, (c) に対して “k 系関数” が用いられる.
(§11 の議論を参照.)
・ テータ関数に代入するべき点たちの内, 我々の議論において重要となるものは,
LabCusp±K~= Fl という集合の元たちで自然にラベル付けされる. j ∈ Fl に対して, j でラ
ベル付けされた点でのテータ関数の値は - Fl = {-l*, . . . , 0, . . . , l*} という自然な
同一視のもと - “μ2l・ qj2/2l” の元となる. (§13 や §18 や §19 の議論を参照.)
・ 上述の各 j ∈ Fl での特殊値に関する考察から, F×l = Fl \ {0} でラベル付けされ
た点での特殊値によって (b) が得られ, そして, 0 ∈ Fl でラベル付けされた点での代入に
よってある単数的加群 “O×μv” が得られることがわかる. この単数的加群は, 後に, 対数写
像 “O×μv~→ (Fv)+” を通じて, (b) (や (c)) に対する適切な “入れ物” としての (a) となる.
(§19 や §20 の議論や §8 や §9 の議論の一部を参照.)
・ 考察しなければならない様々な局所的な状況におけるテータ関数の特殊値や代入
点を大域的に管理するために, 局所的な設定と大域的な設定とを関連付けなければならない.
(§19 の議論を参照.)
つづく

76:現代数学の系譜 雑談
20/07/01 07:36:09.51 ccoy8kKe.net
>>67
つづき
・ また, 上述のように, F×l = Fl \ {0} の元での特殊値として得られる (b) を, 0 ∈ Fl
での代入によって得られる適切な “入れ物” に収納したい - つまり, F×l の元と {0}
の元を関連付けたい. そのために, AutK(XK) から生じる Fx±l → LabCusp±K という加
法的/幾何学的な対称性をもとに, 局所的な設定と大域的な設定との関連付けを行う. これ
らの結果として構成される概念が, D-Θ±ell Hodge 劇場や Θ±ell Hodge 劇場である.
(§20の議論を参照.)
・ 上述の説明から, 非常に大雑把なレベルでは, D-Θ±ell Hodge 劇場や Θ±ell Hodge
劇場 は,テータ関数, その代入点のラベルの管理, 及び, その特殊値 (つまり, (b)) のため
の “入れ物” (つまり, 最終的には (a) となるもの)のための設定だと考えられる.
・ (c) の多輻的な表示は, Θ±ell Hodge 劇場による Fx±l 対称性を用いたラベルの管
理を破壊してしまわないようなラベルの管理のもとで実現しなければならない. そして,
Θ±ell Hodge 劇場の大域的な部分に現れる数体 (つまり, これまでの議論の “K”) が, 多
輻的に表示されるべき (c) (つまり, これまでの議論の “Fmod”) よりも大きくなってしま
うため, そのラベルの管理は, 数体のこの拡大の降下情報に関連するものでなければなら
ない. また, (c) は最終的に “値群的” かつ “輻的” な対象となるため, そのラベルの管理
は, “単数的” かつ “コア的” なラベルである “0 ∈ Fl” を隔離する形で与えられなければ
ならない. (§21 の議論を参照.)
・ テータ関数の非単数的特殊値は, LabCuspK~= F*l という集合の元たちで自然にラ
ベル付けされる. また, このラベルの集合に関する対称性 F*l → LabCuspK は, 数体の降
下情報に関連する. この乗法的/数論的な F*l 対称性をもとにした, 数体やその上の数論的
直線束たちと, テータ関数の代入点との間の適切なエタール的関連付けが, D-ΘNF Hodge
劇場という概念で実現される. (§18 や §21 の議論を参照.)
つづく

77:現代数学の系譜 雑談
20/07/01 07:36:41.67 ccoy8kKe.net
>>68
つづき
・ それぞれ大域的な設定, 局所的な設定における数体やその完備化たちの復元, 及び,
それらに対する Kummer 理論と両立する形で, 上述のエタール的関連付けをフロベニオ
イドのレベルに持ち上げ, そして, その上, それら数体に関わる設定とテータ関数に関わる
局所的なフロベニオイドとを適切に関連付けることで得られる概念が ΘNF Hodge 劇場
という概念である. (§24 や §25 の議論を参照.)
・ 上述の説明から, 非常に大雑把なレベルでは, D-ΘNF Hodge 劇場や ΘNF Hodge
劇場 は,(c) の多輻的な表示, 及び,
* その (c) と
* (D-Θ±ell Hodge 劇場や Θ±ell Hodge 劇場におけるテータ関数への “代
入” という操作を行うことによって得られる) (a) や (b) との間の関連付けのための設定だと考えられる.
・ 加法的/幾何学的な対称性 Fx±l → LabCusp±K をもとに構成された D-Θ±ell Hodge
劇場や Θ±ell Hodge 劇場と, 乗法的/数論的な対称性 F*l → LabCuspK をもとに構成され
た D-ΘNF Hodge 劇場や ΘNF Hodge 劇場を (対称性の出自の観点からは “非従来的な
形” で) 貼り合わせることで得られる概念が, D-Θ±ellNF Hodge 劇場や Θ±ellNF Hodge
劇場である. (§26 の議論を参照.)
・ 2 つの Θ±ellNF Hodge 劇場を - それぞれの下部 D-Θ±ellNF Hodge 劇場の間
の同型のもと - 部品である様々な Frobenius 的 “OΔv” の間の (無限素点の場合の説
明は省略, 有限素点の場合には) “OΔv ⊇ O×v O×μv = Fev ⊇ OeΔv~→ OΔv” という関係で
貼り合わせることによって得られる結び付きが, 対数リンクである.
(§9 や §26 の議論を参照.)
つづく

78:現代数学の系譜 雑談
20/07/01 07:37:12.47 ccoy8kKe.net
>>69
つづき
・ 対数リンクによって, 単数的乗法的加群 “O×μv” を, (a) というコンパクトな加法的
加群に変換することができる. しかも, それは (b) や (c) の “入れ物” となる.
(§8 や §9の議論を参照.)
・ 一方, “対数写像は正則構造に依存する” という事実によって, (単一の) 対数リンク
による直前の (a) という “入れ物” は, 正則構造と両立しないリンクに対する両立性を持
たない. この問題を回避するために, 対数リンクの無限列から生じる “Frobenius 的対数
殻の対数写像による関係の無限列とそれぞれ Frobenius 的対数殻とエタール的対数殻の間
の Kummer 同型” の総体である, 対数 Kummer 対応 を考えなければならない.
(§9 や§10 の議論を参照.)
・ エタール的部分の不定性や対数殻の Kummer 同型に付加されてしまう不定性に
よって, (a) の多輻的な表示を得るためには, (a) に対するそれぞれ (Ind1), (Ind2) という
不定性を許容しなければならない. また, さきほどの対数 Kummer 対応が上半両立性を
満たすことしか確認することができないという事実によって, (a) の多輻的な表示を得る
ためには, (a) に対する (Ind3) という不定性を許容しなければならない. (§10 の議論を参照.)
・ これまで考察/構成を行ってきた様々な概念を用いることで, (Ind1), (Ind2),
(Ind3) という不定性 のもと, (ある適切な設定において)
(a) 対数殻
(b) 楕円曲線の q パラメータの (1 より大きい) ある有理数による巾
(c) 数体
を 多輻的に表示 することができる.
謝辞
(引用終り)
以上

79:現代数学の系譜 雑談
20/07/01 17:58:24.08 k+r32g6d.net
>>67 追加
星裕一の論文
宇宙際 Teichmuller 理論入門 PDF (2019) (Indexあり)URLリンク(repository.kulib.kyoto-u.ac.jp)
(抜粋)
P81
本稿の構成は, おおまかには以下のようになっています:
? §1 から §3: 宇宙際 Teichm¨uller 理論において遠アーベル幾何学がどのような形で
用いられるか, という点についての説明.
? §4 から §12: ある Diophantus 幾何学的帰結 (§4 の冒頭を参照) を得るために, “何
をすれば良いか”, “どのようなアプローチがあり得るか”, “そのアプローチの枠組みで何
ができるか” という点についての考察. 特に, 宇宙際 Teichm¨uller 理論の主


80:定理の大雑把 な形の説明. ? §13 から §20: テータ関数に関わる局所理論やその大域化の説明, 特に, 加法的/幾 何学的な対称性が重要な役割を果たす “加法的 Hodge 劇場” の構成の説明. ? §21 から §25: 数体の復元に関わる理論の説明, 特に, 乗法的/数論的な対称性が重 要な役割を果たす “乗法的 Hodge 劇場” の構成の説明. ? §26: 最終的な Hodge 劇場の構成の説明. もう少しだけ理論の詳細に踏み込みましょう. (より詳しくは §27 を参照ください.) §4 から §12 までで説明される “リンクによるアプローチ” によって, ある Diophantus 幾 何学的定理 (§4 の冒頭を参照) を証明するためには, ある適切な固定された数体上の楕円 曲線に対して, (a) 対数殻 (§8 を参照) (b) 楕円曲線の q パラメータの (1 より大きい) ある有理数による巾 (c) 数体 という 3 つの対象の (ある適切な設定における) 多輻的な表示 (§7 を参照) の存在を証明 すれば充分であるということになります. 一方, これらの対象の多輻的な表示を得るため には, “設定の環構造を放棄する” ことによって必然的に発生してしまう不定性 (§10 を参 照) から, 上記の (b) と (c) を防護/隔離しなければなりません. そのために, (b) と (c) を, “ただの数” としてではなく “ある適切な関数の特殊値” として扱う必要が生じます. そのような関数として, (b) に対してテータ関数 (§13 を参照), (c) に対して “κ 系関数” (§24 を参照) が用いられることになります. (§11 の議論を参照.) つづく



81:現代数学の系譜 雑談
20/07/01 18:00:22.29 k+r32g6d.net
>>71
つづき
テータ関数に代入するべき点は, LabCusp±K~= Fl という集合の元たちで自然にラベ
ル付けされます. Fl の各元での特殊値に関する考察から, F×l = Fl \ {0} でラベル付けさ
れた点での特殊値によって (b) が得られ, そして, 0 ∈ Fl でラベル付けされた点での代入
によって, (テータ関数が登場する) “テータモノイド” の分裂が得られることがわかりま
す. また, 0 ∈ Fl での代入によるこの分裂は, 後に, 対数写像を通じて, (b) や (c) に対す
る適切な “入れ物” としての (a) と結びつきます. (§19 や §20 の議論や §8 や §9 の議論
の一部を参照.) そして, 非常に大雑把なレベルでは, §13 から §20 までで構成される “加
法的 Hodge 劇場” (つまり, D-Θ±ell Hodge 劇場や Θ±ell Hodge 劇場) は, テータ関数, そ
の代入点のラベルの管理, 及び, その特殊値 (つまり, (b)) のための “入れ物” (つまり, 最
終的には (a) となるもの) のための設定だと考えられます.
また, (c) の多輻的な表示は, その “加法的 Hodge 劇場” による加法的対称性を用い
たラベルの管理を破壊してしまわないようなラベルの管理のもとで実現されなければなり
ません. その上, “加法的 Hodge 劇場” に現れる大域的な対称性と多輻的に表示されるべ
き (c) の非両立性に, ラベルの管理を対応させなければなりません. (§21 の議論を参照.)
LabCuspK~= F×l/{±1} という集合は, テータ関数の非単数的特殊値に対する自然なラベ
ルの集合であり, この集合に対する乗法的対称性は上述のラベルの管理に関連します. こ
の乗法的/数論的な対称性をもとにした, 数体やその上の数論的直線束たちと, テータ関数
の代入点との間の適切な関連付けが, §21 から §25 までで構成される “乗法的 Hodge 劇
場” という概念によって実現されます. (§18 や §21 の議論を参照.) つまり, 非常に大雑把
なレベルでは, “乗法的 Hodge 劇場” (つまり, D-ΘNF Hodge 劇場や ΘNF Hodge 劇場)
は, (c) の多輻的な表示, 及び, その (c) と (“加法的 Hodge 劇場” におけるテータ関数へ
の “代入” という操作を行うことによって得られる) (a) や (b) との間の関連付けのため
の設定だと考えられます.
つづく

82:現代数学の系譜 雑談
20/07/01 18:00:59.83 k+r32g6d.net
>>72
つづき
加法的/幾何学的な対称性をもとに構成された “加法的 Hodge 劇場” と, 乗法的/数論
的な対称性をもとに構成された “乗法的 Hodge 劇場” を (対称性の出自の観点からは “非
従来的な形” で) 貼り合わせることで得られる概念が, D-Θ±ellNF Hodge 劇場や Θ±ellNF
Hodge 劇場です. (§26 の議論を参照.) そして, 2 つの Θ±ellNF Hodge 劇場を対数リンク
(§9 や §26 を参照) によって結び付けることで, ある単数的乗法的加群を, (a) というコン
パクトな加法的加群に変換することができます. しかも, それは (b) や (c) の “入れ物”
となります. (§8 や §9 の議論を参照.) 一方, “対数写像は設定の環構造に依存する” とい
う事実によって, (単一の) 対数リンクによる (a) という “入れ物” は, Θ リンクと呼ばれ
る設定の環構造と両立しないリンクに対する両立性を持ちません. この問題を回避するた
めに, 対数リンクの無限列から生じる “Frobenius 的対数殻の対数写像による関係の無限
列とそれぞれ Frobenius 的対数殻とエタール的対数殻の間の Kummer 同型” の総体であ
る, 対数 Kummer 対応を考えなければなりません. (§9 や §10 の議論を参照.)
エタール的部分の不定性や対数殻の Kummer 同型に付加されてしまう不定性によっ
て, (a) の多輻的な表示を得るためには, (a) に対するそれぞれ (Ind1), (Ind2) という不定
性 (§10 を参照) を許容しなければなりません. また, 上述の対数 Kummer 対応が上半両
立性を満たすことしか確認することができないという事実によって, (a) の多輻的な表示
を得るためには, (a) に対する (Ind3) という不定性 (§10 を参照) を許容しなければなり
ません. 一方, これまでの説明に登場してきた様々な概念を用いることで, (Ind1), (Ind2),
(Ind3) という比較的 “軽微な不定性” のもと, (ある適切な設定において) (a), (b), (c) を
多輻的に表示することができるのです.
(引用終り)
以上

83:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/07/02 07:16:21 7yuS9dUI.net
>>67

”両立的”:両立的とは、IUTのリンクで結びつけられた 2つの量が、等式または不等式として、左辺と右辺の両方における
というような意味みたいですね(^^;

星裕一の論文
宇宙際 Teichmuller 理論入門 PDF (2019) (Indexあり)URLリンク(repository.kulib.kyoto-u.ac.jp)
(抜粋)
P94
では, どのようにすれば実際の値に対する等式 “deg L = deg L◯xN ” が得られるので
しょうか. ここで再び,deg L (または deg L◯xN ) という値は, qE (または qNE ) なる “生成元” によって定
義された数論的直線束 L (または L◯xN ) の次数である
という事実を思い出しましょう. つまり, 安直リンクの条件に登場する †qNE や ‡qE から
所望の等式に登場する deg L◯xN や deg L を得るためには, “それら生成元から定まる数論
的直線束の次数の計算” を行う必要があります. したがって,
安直リンク (つまり,†qNE → ‡qE �


84:ネる適当な結び付き) †S → ‡S であって, “そ れら生成元から定まる数論的直線束の次数の計算の仕組み” を保つもの が存在すれば, 所望の等式 “deg L = deg L◯xN ” が得られるはずだということです. そし て, 実際にそれが (ある意味で) 実現可能であるという主張が, 非常に大雑把には, 宇宙際 Teichm¨uller 理論の主定理となります: 宇宙際 Teichm¨uller 理論の主定理の雰囲気: (“充分一般的な E/F” に対して) †qNE → ‡ qE なる適当なリンク †S → ‡S が存在して, それは, †qNE → ‡qE の両辺を生成元とする数論的直線束の次数の計算の仕組みと (軽微な不定性を除いて) 両立的となる. つづく



85:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/07/02 07:16:57 7yuS9dUI.net
>>74

つづき

上で例として挙げた †49 → ‡7 なる全単射 †Q~→ ‡Q の設定において, “次数の計算方
法” として, “nZ の次数は log(♯(Z/nZ))” を採用したとしましょう. そして, (この場合に
は実際にはそれは不可能ですが)
(?): この全単射 φ:†Q~→ ‡Q が, 部分集合の間の加群の同型 †Z~→ ‡Z を
導き, かつ, 次数の計算の仕組みとも両立的 ? つまり,
log(♯(†Z/†n†Z)) =log(♯(φ(†Z)/φ(†n)φ(†Z))) ?
となることを証明できたとしましょう. 先述のとおり,
†49 → ‡7 なる全単射 †Q~→ ‡Q の存在だけでは,
“7 = 49” という等式は得られません. しかしながら, (?) によって得られ
る “次数計算の仕組みの両立性” により,
log 49 = log(♯(†Z/†49†Z)) = log(♯(φ(†Z)/φ(†49)φ(†Z))) = log(♯(‡Z/‡7‡Z)) = log 7
という計算を通じて, 所望の等式 “7 = 49” が得られます.
(繰り返しますが, この例の場合には, もちろんそんなことは不可能です.)
(引用終り)
以上

86:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/07/02 07:32:01 7yuS9dUI.net
>>74

”輻的(ふくてき)”:radial
輻は、や【×輻】【×輻射】ですね

星裕一の論文
宇宙際 Teichmuller 理論入門 PDF (2019) (Indexあり)URLリンク(repository.kulib.kyoto-u.ac.jp)
(抜粋)
P102
§ 7. 多輻的アルゴリズム
宇宙際 Teichm¨uller 理論では,
た ふ く て き
多輻的 アルゴリズムという特別な性質を満たすアルゴ
リズムが, 非常に重要な役割を果たします. §8 で行う宇宙際 Teichm¨uller 理論の主定理の
“ミニチュア版” の説明のために, この §7 では, その多輻的アリゴリズムという概念につ
いての簡単な説明を行います. (詳しくは, 例えば, [12] の Example 1.7 から Remark 1.9.2
までの部分を参照ください.)
まず最初に, 次のような設定を考察しましょう.
輻的(ふくてき) データ (radial data ? cf.[12], Example 1.7, (i)) と呼ばれるある数学的対象が与えられているとします. 次

URLリンク(dictionary.goo.ne.jp)
goo辞書
radialの意味 - 小学館 プログレッシブ英和中辞典
[形]
1放射状の,輻射ふくしゃ形の;〈道路が〉(中心部から郊外へ)放射状に走る;半径方向の[に動く]
2《機械》星型構造[放射式]の

URLリンク(dictionary.goo.ne.jp)
goo辞書
や【×輻】 の解説
車輪の軸と外側の輪とを結ぶ、放射状に取り付けられた数多くの細長い棒。スポーク。

ふく‐しゃ【×輻射】 の解説
[名](スル)《「輻」は車輪の「や」で、中心部の轂?(こしき)?から放射状に並んだ木》
1 車の輻?(や)?のように、中央の一点から周囲に射出すること。
2 ⇒放射2

87:132人目の素数さん
20/07/02 16:57:44.05 mg572Jkz.net
ふくま‐でん【伏魔殿】 の解説
1 魔物のひそんでいる殿堂。
2 見かけとは裏腹に、かげでは陰謀
・悪事などが絶えず企 (たくら) まれて
いる所。「政界の伏魔殿」

88:現代数学の系譜 雑談
20/07/03 10:15:27.70 bxcPs0DD.net
ありがとう

89:現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP
20/07/03 11:29:35 bxcPs0DD.net
>>67

(引用開始)
・ テータ関数に代入するべき点たちの内, 我々の議論において重要となるものは,
LabCusp±K~= Fl という集合の元たちで自然にラベル付けされる. j ∈ Fl に対して, j でラ
ベル付けされた点でのテータ関数の値は - Fl = {-l*, . . . , 0, . . . , l*} という自然な
同一視のもと - “μ2l・ qj2/2l” の元となる. (§13 や §18 や §19 の議論を参照.)
(引用終り)

ここに
“μ2l・ qj2/2l”
正確には冪で
“μ_2l・ q^(j^2/2l)”
なのですが
q^(j^2/2l)が出てきます


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