20/05/22 10:07:31 koULGAjk.net
>>585
つづき
2.Frobenioid の理論に関するほとんどの部分(望月の、IUT より以前に発表された 2 つの論文の内容)も、最終的には使われない(特殊例のみで十分である)。
しかし、初めて学ぼうとした読者は気付かないかもしれず、全ての理論を理解しなければならないと(誤って)思い込むかもしれない。
望月の Web ページに、究極的にはこの理論のほとんどが使われないことを述べている短い注釈があるが、独学中の数学者は気付かないかもしれない。
たとえこの注釈を発見し、これらの論文のうち最終的に使われる重要な特殊例を取り扱った部分のみを読もうとしても、膨大な記号・用語や、前の方で述べられている結果が使用されているのを目のあたりにすることになる。
こうして、「特殊例を理解するためだけでも、結局のところ最も一般的な議論を理解するために最初から読まなければならないのではないか」という恐怖を(間違ってはいるものの)感じ、結局は意欲を失ってしまうかもしれない。
これは Grothendieck のエタール・コホモロジーを学ぶときのことを思い起こさせる。近年では、この理論を一から直接的かつ(多かれ少なかれ)効率的なやりかたで構築し、重要な定理を証明していくようなよい本がいくつかある。
数分冊に渡る SGA4 における Grothendieck の定式化では、非常に抽象的なトポスの一般理論を構築するために最初の何百ページもが割かれている。これは後の様々な一般化のための基礎となることを目指して書かれていた(そして後に実際に一般化された)。
このような非常な一般性はしかし、エタール・コホモロジーのみを理解しようとするためには(任意の圏を理解するためにさえも)完全に不必要である。
3. 宇宙際 Teichmuler 理論 (IUTT = IUT) とは何か?
(引用終り)