20/05/13 20:17:46 fChrPFrq.net
>>641
つづき
射について
数学においてよく知られた多くの圏と異なり、環の圏 Ring の任意の二対象の間には必ずしも射が存在するわけではない。これは(単位的)環準同型が単位元を保つという事実の反映である。例えば、零環 0 = {0} から任意の非零環への射は存在しない。環 R から S への射が存在するためには、S の標数が R の標数を割り切ることが必要条件である。
射集合が空となることがあってさえ、それでも始対象が存在するから、環の圏 Ring は連結(英語版)である。
部分圏について
環の圏 Ring はいくつも重要な部分圏を持っている。例えば、可換環、整域、主イデアル環、体それぞれの全体の成す充満部分圏などが挙げられる。
体の圏
体の圏 Field は、すべての可換体を対象とする CRing の充満部分圏である。体の圏はほかの代数圏のようにはよく振る舞わない。特に「自由体」(すなわち忘却函手 Field → Set の左随伴となるもの)は存在しない。したがって、Field は CRing の反映的部分圏ではない。
体の圏 Field は有限完備(英語版)でも有限余完備でもない。特に、Field は積も余積も持たない。
もう一つ体の圏 Field の著しい点は、任意の射が単型射となることである。
アーベル群の圏 Ab から擬環の圏 Rng への忠実充満函手が、各アーベル群を、それに自明な積を入れた零擬環に対応させることで与えられる。
(引用終り)
以上