20/05/13 13:10:02 uMe8boWM.net
>>603 追加
(参考)
はてなブログ/entry/2018/10/13/193343
2018-10-13 はてなブログ 亀岡亮太
Russell のパラドクスと λx.xx (または自己言及がもたらす豊かさと危うさについて)
Russell のパラドクス
既にご存知の読者も多いと思うが,念のため Russell のパラドクスについての紹介をしておく.
[Math Processing Error] なる集合を考える.つまり [Math Processing Error] は,自分自身を要素として含まない集合全体の集合である.
まず,[Math Processing Error] と仮定すると,[Math Processing Error] の定義より [Math Processing Error] であるはずなので矛盾する.
一方,[Math Processing Error] と仮定すると,[Math Processing Error] の定義より [Math Processing Error] となるはずなので,こちらも矛盾する.
Russell の階型理論
「束縛変数を含む命題や関数は何であれ,それ自身を引数として入力してはいけない」という制約を敷く.
この悪循環原理を形式的に遂行するため,命題関数の量化を反映した階層構造を設定した上で,項がどの階層に属するかを分類し,命題や関数の引数として出現できる項の種類に制限を加えるのが階型理論の目的である.
随分と抽象的な説明になってしまったので,具体例を見てみよう.分類は以下のように行われる.
・命題でも関数でもない対象を individuals と呼ぶ (これは0階とみなされる)
・引数に individual のみが出現する関数を1階の関数と呼ぶ
・ある関数において,引数または束縛変数として n 階の変数が最高位の変数として出現するならば,その関数は n+1 階である
このような階層構造を導入することにより,Russell は「[Math Processing Error] は [Math Processing Error] の要素である」のような記述はそもそも項として存在し得ず,無意味であると主張する.
かくして Russell のパラドクスは片付く*17 *18.
つづく