暇つぶし2chat MATH
- 暇つぶし2ch143:現代数学の系譜 雑談
20/04/18 16:09:09.68 FUrf+qJl.net
>>127
つづき
集合論的な数学理論の構成では集合やその元に対して写像や関係を導入し、それらが満たすべき公理を列挙する。
その公理を満たすような「構造」を持った個々の集合が理論の具体的な実現を示していて、それら一つ一つの実現に共通の性質が公理から演繹的に証明される。
たとえば、群に関する定理は公理系から演繹的に証明される。例えば群の単位元が一意に定まることは公理系から直ちに証明される。
こうして各種の数学理論が建設されるが、これら異なった理論に共通する様々な構成ができることも認識された。
圏論の言葉を使えば、数学の多くの分野の研究からしかるべき圏を作り出し、異なった理論の間に平行して存在する手続きを統一的に理解することができる。
例えば集合、群、位相空間の圏などである。これらの圏は、例えば空集合や 2 つの位相空間の直積など、何かしら特別な性質を持った「空間」が存在する。
しかし、圏の定義においては対象は根源的なものとみなされ、それぞれの対象が具体的にどんな集合として実現されるのかは指定されていない。
そこで、これらの特別な空間についての概念を、その「要素」を参照せずに定めることはできるだろうか、という問いが生まれる。
圏論的な解析においては、何かしら与えられた構造を持つ個々の対象(例えば群)とその「内部構造」だけを考えるよりも、対象間の射 ? 構造を保つ対応関係 ? に力点が置かれる。
群の圏の例で言えば、射は群の準同型写像にあたる。それぞれの圏における特別な対象は、他の対象とのあいだの射がどうなっているか、によって特徴づけることができる。
たとえば集合の圏における空集合 Φ は任意の集合 S について Φ から S への射(つまり写像)がただ 1 つだけ存在するようなもの、として特徴づけられる。
このような特徴づけは、極限やその双対概念である余極限を用いた普遍性という考え方にまとめられる。実際、数多くの重要な構成がこのようにして純粋に圏論的な方法で記述できることがわかっている。
つづく


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch