19/12/12 11:16:42.10 iZa2yRQu.net
>>381 補足
URLリンク(www.kurims.kyoto-u.ac.jp)
ポアンカレ予想とリッチフロー 横田 巧 (京都大学 数理解析研究所) 平成27年度(第37回)数学入門公開講座テキスト
(抜粋)
Hamilton はその後もリッチフローに関する様々な定理を証明した.特に,無限時間
存在する体積を正規化したリッチフロー方程式の非特異解を持つような3次元閉多様体
に対して幾何化予想が成り立つことを証明した.一般には,体積を正規化しても,リッ
チフローは有限時間で特異点を生成する.そこで,Hamilton は手術付きリッチフロー
(Ricci flow with surgery) を用いた幾何化予想へのアプローチを提唱し,それを実装し
たのが Perelman である.以下で Perelman のプレプリント [Pe1, Pe2] の一部を解説
する.
3. 単調性公式
ここでは,Perelman の F-および W-汎関数(エントロピー)の単調性公式を紹介
する.
プレプリント [Pe1] の §5 によると W-エントロピーの定義は
統計物理に由来するらしい.このことに関しては [小林](または[数セ]内の記事)を参
照されたい.
4. 局所非崩壊定理
ここでは,Perelman が定理 23を用いて証明した局所非崩壊定理の一つを紹介する.
Perelman は[Pe1]の§§6, 7において,リッチフローという時空を熱浴 (thermostat) に埋め込むことで L 幾何を展開し,n 次元多様体 M 上のリッチフロー g(t), t ∈
[0, T] に対して簡約体積 (reduced volume) と呼ばれる τ := T ? t に関して単調な別の
積分量
を定義し,その単調性を用いて局所非崩壊定理 I の弱い形の別証明および局所非崩壊
定理 II の証明を与えた.後の議論にはそれらの定理が使用されるため,実はF-汎関数
もW-汎関数もPerelmanによるポアンカレ予想の証明には直接的には使われない.
つづく