19/11/09 15:23:43.34 aIAMZK1h.net
>>715
つづき
多様体の構造
射影空間の概念は純粋に代数的であり非常に標準的であるため、適切な枠組みを用いる事によって、その性質は体 K の取り方によらず共通しているものが多い。
以下の記述は特に断らない限り、スキーム論の枠組みを用いる事で任意の体上の代数多様体としての射影空間に対して成り立つが、
代数幾何学以外で重要な場合は体 K が実数体 R または複素数体 C の場合であるので、実射影空間および複素射影空間の場合に則した記述を行う。
射影変換群
一般線形群 GL(n + 1, K) はベクトル空間 V = Kn+1 に原点を固定して作用し、原点を通る直線を原点を通る直線に写すので、射影空間 KPn には GL(n + 1, K) が作用する。
単位行列の定数倍は射影空間に自明に作用するので、この作用は剰余群 PGL(n, K) = GL(n + 1, K)/K^× を経由する。
群 PGL(n, K) をKPn の射影変換群 (projective linear transformaton group) と言う。
射影変換群は、代数多様体としての(あるいは K = C のときは、複素多様体としての)KPn の自己同型群にほかならない。[1]
GL(n + 1, K) の KPn への作用の1点の等方部分群 (stabilizer) は
{\displaystyle {\begin{pmatrix}a&*\\0&A\end{pmatrix}}}{\begin{pmatrix}a&*\\0&A\end{pmatrix}} ただし {\displaystyle a\in K^{\times },\quad A\in GL(n,K)}a\in K^{{\times }},\quad A\in GL(n,K)
の形の行列からなる部分群 H であり、空間 KPn は、剰余類 GL(n + 1, K)/H と同型である。すなわち、KPn は等質空間である。等質空間としての記述の点でも、射影空間はグラスマン多様体や旗多様体のもっとも簡単な場合に当たる。
フビニ・スタディ計量
^ フビニ・スタディ計量の存在により、CPn はケーラー多様体になる。ケーラー多様体の部分多様体はケーラー多様体である事から、射影代数多様体は全て自動的にケーラー多様体になるという意味でも重要である。
(引用終り)
以上