19/09/20 22:24:21.28 lq2/XEro.net
志賀浩二著『数学が育っていく物語 第2週 解析性』を読んでいます。
テイラーの公式の剰余項が 0 に収束することを証明して、
exp(x), sin(x), cos(x) がテイラー展開可能であることを導いています。
次に、
log(1 + x) のテイラー展開ですが、これについては、
志賀浩二著『数学が育っていく物語 第1週 極限の深み』で、べき級数の理論を使って求めています。
log(1 + x) のテイラーの公式の剰余項が 0 に収束することを直接証明することは難しい理由を以下のように
説明してます。
R_n = (-1)^(n+1) * x^n / (n * (1 + θ*x)^n)
の θ は x と n の関数で 0 < θ < 1 を満たします。
最悪の状況を想定すると、 n を大きくしていったとき θ がずっと 1 に近いままであるかもしれません。
もし、たとえば、 x = -2/3 のときに、そのような状況が起きるとすると、
|R_n| ≒ (1/n) * (2/3)^n / (1 - 2/3)^n = 2^n / n → ∞
となってしまいます。
R_n → 0 であることを証明するには、このような状況が起きないことを証明しなければならず、それは難しい。