19/08/04 16:02:56.63 wYXDzdNx.net
>>183
つづき
それはそれが(加える,掛ける,積分する)など関数
に正常的に適用される演算に服従させうるという意味
では,関数-的である。しかし,任意の測度ゼロの集
合上で値が変えられたとき不変であると考えられるか
ら,それはそれの定義域の各点に値をあてがうという
規則では確かに関数的でない。(p. 257)
L2関数は,ディリクレによる関数の定義に依らないし,
要素を対応させるという写像としての定義,即ちブル
バキによる関数の定義にも依らないのである。
4.我が国の中学校数学教科書における関数の定義の
変遷
次は,平成23 (2011) 年発行の,平成20(2008)年告
示の中学校学習指導要領のもとでの,岡本他(2011)に
よる中学校第1学年の数学教科書に掲載されている関
数の定義である:
このx,y のように,いろいろな値をとる文字を変
数といいます。
また,ともなって変わる2つの変数x,y があって,
x の値を決めると,それに対応してy の値が
ただ1つに決まる
とき,y はx の関数であるといいます。(p.98)
平成23 (2011) 年発行の中学校数学教科書の関数の定
義は,第一学年の教科書に記載されており,この定義
もディリクレの関数の定義,所謂,解析学的定義に基
づく。
5.考察
(1) 関数史から見えてくる数学観とは何か
数学的体系がプラトン主義者が望むような完全性を
もたないことは,ゲーデルによって数学的に証明され
ていることは周知である。そうだとしてもプラトン主
義者は完全なる数学の存在を主張し,ゲーデルの仕事
を超えようとするかも知れない。ところが,関数に着
目した場合,関数の定義すら完成されていないことは
数学の完全な存在-関数が数学的知識の一部だとす
れば関数について論ずることで十分だろう-に対し,
疑義を投げかける。
(引用終り)
以上