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>>165
つづき
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ゲーデルの定理-2.3- 自然数の公理系 2015-11-02
さらにゲーデルの不完全性定理によれば、公理系P1bに∀x(R1(x))や¬∀x(R1(x))を付け加えた公理系も、まだ統語論的に不完全です。ゆえに∀x(R2(x))も¬∀x(R2(x))も証明できないような論理式∀x(R2(x))が存在します。
というわけで、公理系P1bからは証明できない無限個の論理式が存在し、それらの論理式はすべて自然数の集合で何らかの命題に対応しています。
そしてそれらの命題の真偽がどちらであるかにより無数のモデルが存在することになります。
そしてこれら無数のモデルの全てで成立する関係だけが真であるようなモデルを作る集合を仮にペアノ自然数とでも名付ければ、完全性定理により公理系P1bはペアノ自然数においては意味論的に完全です。
そもそもペアノの公理系とは人間が素朴に自然数の集合と考えていたものをきちんと定義しようとしたものです。
しかし実はその自然数の実体は唯一のものではなかったのです。
それはペアノの公理系で完全に表現できるペアノ自然数を共通部分としながらも、そこに各々異なる真理が付け加わった無数のモデルの集合体だったのです。
そしてこれら無数のモデルのうちで、我々が素朴に言葉にする自然数がどれに当てはまるのかは有限の手続きでは決定できません。
これら無数の異なる真理は、人間の観測が届かない無限の彼方にあるのです。「真であるにもかかわらず証明できない」のではなくて、「有限の手続きでは真偽を決定できない命題は証明できない」と言うべきなのです。
といえば、何か当たり前の真理に聞こえるようになりますね。
そう、今にして思えばゲーデルの不完全性定理とは何も不思議な定理ではなく、「無限集合についての命題で有限の手続きでは確認不可能な命題には、有限の証明列が存在しないものがある。」という、ごく自然に見えることをキチンと証明したところに意義があったのだと言うべきでしょう。
次回はさらに具体的証明に踏み込みます。
(引用終り)
以上