19/07/30 13:05:17.40 NVdqdEIy.net
>>818
つづき
―日本でもAI人材が不足している。
スン氏 AI人材の不足は世界共通の課題だが、状況は改善されていくだろう。AI人材は3つに分けられる。1つはエリート層である少数のデータサイエンティスト。もう1つは一般的なAIの概念と知識を持ってエリート層とコラボレーションできるジェネラリスト。3つ目はエリート層が作ったシステムを運用しメンテナンスするエンジニアだ。これらの人材をバランスよく育成することが必要だ。
ジェネラリストとエンジニアは、世界各国でオンライン育成コースが運用されている。これらを受講・受験することで、AI人材を育成する仕組みが出来上がっている。
一方でデータサイエンティストは、3年や5年といった時間をかけて、確立された研究機関で育成する必要がある。ここが難しいところだ。
ポストドクターでシアトルのワシントン大学にいたが、シアトルは素晴らしい戦略で人材を集め、育てていた。他大学の有力な教授を研究室ごとシアトルに招へいするプログラムがあったのだ。教授やその家族、研究室の研究者をワシントン大学に丸ごと引っ越しさせて、大学のポストだけでなく企業のポストも用意する。
こうして集めた人材が研究成果を出すだけでなく、育った人材がシアトルの大学や企業で業績を残していく。さらに招へいした教授がスタートアップ企業を立ち上げる、といった好循環が生まれている。
―日本の大学をどう見ているか。
スン氏 日本の大学は、論文もデモもしっかりしたものが多いという印象だ。米国に拠点を移して活動している教授も多いが、いかんせん論文が少ない。米国、中国、欧州に比べてトップの国際会議に上がってくる論文が圧倒的に少ないことが最大の問題ではないか。
5年前だったら、これは大きな問題にならなかった。日本のマーケットは大きく、国内で人材が流通していればよかった。しかし今、人材はグローバル市場で活躍が求められ、日本で閉じていることは立ち遅れにつながる。米国などへの人材流出は大きな問題になるだろう。台湾も同様だが。
つづく