現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む67at MATH
現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む67 - 暇つぶし2ch387:現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む
19/06/09 08:10:20.42 nOfbA8rJ.net
>>361
つづき
ルベーグの測度論
測度を定義するさい, ルベーグはボレルと異なったアプローチをとる.
ルベーグの可測集合については, その測度が区間の長さだけをもとに, 自然に定まる.
さらに
・区間はすべてルベーグ可測である.
・ルベーグ可測集合の補集合はルベーグ可測である.
・高々可算個のルベーグ可測集合の和集合もまたルベーグ可測である.
・したがって, ボレルの意味での可測集合はルベーグ可測でもある.
・有界なルベーグ可測に制限した場合, 測度の問題の要請①~③は満される.
この時点でルベーグは, 測度の問題の考察を打ち切り, 以後はルベーグ可測な集合のみを扱うことを宣言する.
測度の問題についての余談
ルベーグの学位論文の2 年後(1904 年) に, ツェルメロの選択公理
をめぐる論争がボレルとジャック・アダマールの間でくり広げられ,
ルベーグはボレルの代弁者として選択公理への疑義を表明する.
さらにその翌年(1905 年), ルベーグの条件①~③をみたすような
集合関数μ は存在しえないことが, ジュゼッペ・ヴィタリにより,
選択公理を利用して証明された. 《ルベーグ不可測集合の存在証明.》
ルベーグの考察は, 測度問題の解μ の存在の仮定にもとづいているが,
外測度と内測度は区間の長さだけに言及して定義されているため,
ルベーグ可測集合と測度の定義はヴィタリの証明の影響を受けない.
選択公理とルベーグ不可測集合をめぐっては, いずれ別の機会に改めて詳しく論じてみたい. . .
ボレルの理論との関係
現代の言葉で言えば, ルベーグの可測集合と測度は, ボレルの可測集
合と測度を完備化したものである.
後知恵で見ればルベーグの測度論はボレルの理論から「すぐに導か
れる」とも言える. ただし, ボレルの定式化の曖昧さは割り引いて考
えるべき. 実際にはルベーグの理論とその後の抽象的積分論の発展
のおかげで, ボレルの言ったことがわれわれにもハッキリ理解でき
るようになった.
つづく


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