19/06/04 14:58:02.39 wNRLuqE6.net
>>695
[命題]:rを実数とする。このとき、
rが有理数であるための必要十分は、rに対して | r-q/p |<1/p^2 (p,q)=1 p≧2 を満たす既約有理数 q/p は高々有限個存在することである。
証明] 、(必要性):仮定から実数rは有理数だから、有理数rに対して、| r-q/p |<1/p^2 (p,q)=1 p≧2 を満たす
既約有理数 q/p は高々有限個存在する。
(十分性):仮定から。確かに、実数rに対して、| r-q/p |<1/p^2 (p,q)=1 p≧2 を満たす既約有理数 q/p は高々有限個存在する。
実数rに対して更に条件を加えて、或る無理数rが存在して、rに対して | r-q/p |<1/p^2 (p,q)=1 p≧2 を満たす
既約有理数 q/p は高々有限個存在すると仮定する。固定された無理数rに対して集合 A(r) を
A(r)={ q/p∈Q | | r-q/p |<1/p^2 (p,q)=1 p≧2、p,q∈Z } と定義する。
すると、固定された無理数rについての条件から、固定された無理数rに対して、| r-q/p |<1/p^2 (p,q)=1 p≧2 を満たす
既約有理数 q/p は高々有限個存在するから、空間 A(r) の定義から、A(r) は有限集合である。
しかし、任意の無理数sに対して、| s-q/p |<1/p^2 (p,q)=1 p≧2 を満たす既約有理数 q/p は可算無限個存在する。
rは固定された無理数だから、s=r とおいて s=r のときを考えれば、固定された無理数rに対して、
| r-q/p |<1/p^2 (p,q)=1 p≧2 を満たす既約有理数 q/p は可算無限個存在することになる。
よって、A(r) の定義から、A(r) は可算無限集合である。A(r) が有限集合なることと、A(r) が可算無限集合であることとは相反し、矛盾する。
この矛盾は、実数rを或る無理数として、無理数rに対して | r-q/p |<1/p^2 (p,q)=1 p≧2 を満たす既約有理数 q/p は可算無限個存在する
と仮定したことから生じたから、背理法が適用出来る。そこで背理法を適用すると、実数rは有理数である。