19/04/06 21:31:17.69 l1lbk3Qf.net
>>241
つづき
■ 一方層は (U,f)と (V,flv)を一旦分離する.
まず気持ちとしては U上の関数全体の集合なのであるが定義としては単なる環 Γ(U,O)をとる.
これでは Uの部分集合上の情報がなくなるので,Γ(U,O)から Γ(V,O)への準同型 r を導入する.
この写像は制限写像と呼ばれる.
その出自からして妥当な命名である.
ここで rは当然開集合 U,Vによる.
したがって ru.vなどと書くのが正当であるが,煩雑さを避けるため誤解のない範囲で記号を省略する.
考えるカテゴリーにより環のところはアーベル群その他に変わりうる.
こうすると関数の拡張などが多少なりともみやすくなる.
開被覆 U= ∪Uαとfα∈Γ(Uα,O)に対して Γ(Uα∩Uβ,O)の中で τ(fα)= τ(fβ)が成り立つとする
(これは拡張されるための必要条件).
もしある Γ(U,O)の要素 fで Γ(Uα,O)の中で τ(f)=fαを満たすものがあれば{fα}は Γ(U,O)の要素に拡張されるということにしよう.
そうすれば通常の関数のときと平行した議論が可能で,かつ,制限写像によって不定性が回収される.
層は議論としては明快だが関数の性質を一時保留にしながら情報を保つためにどうしてもカテゴリーを指定する必要がある.
ここが要点である.
(引用終り)