現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む63at MATH
現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む63 - 暇つぶし2ch232:現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む
19/04/06 08:21:46.93 l1lbk3Qf.net
>>213
つづき
50 年代は
H.Cantan and S.Eilenberg, Homological Algebra, 1956 年
が出てホモロジー代数の成立を告げ, 日本でも
中山正・服部昭『ホモロジー代数学』1957 年
が続いた。
ここでは「カテゴリー」,「函手」の語が使われている。
同じ年の
秋月康夫・鈴木通夫『高等代数学 I I 』1957 年
には,「複体,ホモロギー」の一節があるが圏には触れていない。
60 年代に「圏」を使い始めた著者らの 50 年代の著作
小松醇郎・戸田宏・中岡稔『位相幾何学』1957 年
河田敬義・竹内外史『位相幾何学』1952 年
を見ても,圏の言及はない。
さらに圏論誕生の年 1945 年まで遡っても圏に触れた本は見つからない。
こうしてみると,圏の概念が日本語の書物に登場するのは 1957 年の『ホモロジー代数学』から,
日本語の「圏」が使われ始めるのは 1966 年の『集合論入門』からのようである。(講演時『集合論入門』は見ていなかった。)
つづく


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