19/03/17 09:59:18.25 gAStfvWk.net
>>419
つづき
3.1 その先へ
実は,上記の Solovay の結果は,Lebesgue 可測性以外にも,完全集合性質や Baire の性質といった,実数
の集合に関する他の性質についても取り扱っています.
Lebesgue 可測性は
「Borel 集合と測度零の差しかない」という形で特徴付けられるのに対し,Baire の性質も「Borel 集合と痩せ集
合(閉疎集合の可算和)の差しかない」という形で定義出来ます.Lebesgue 零集合全体のイデアル N も痩せ
集合全体のイデアル M も,共に ω1-完備であり,更に Fubini の定理を満たします.このようにカテゴリーと
Lebesgue 測度の間には非常な類似性,双対性があり,当時は両者は殆んど同じものだと考えられてきました.
なので,Solovay は Lebesgue 可測性にも Baire の性質にも,到達不能基数は要らないだろうと考えていたの
です.ところが,Shelah は上の論文で,射影集合の Baire 性には到達不能基数は不要なことを示しました:
ZFC + CH のモデルから出発して,任意の射影集合を Baire にするような強制概念が存在する.
こうして,実は Lebesgue 可測性と Baire の性質については,無矛盾性の強さという根本のところで大きな
隔りがあることが明らかになった訳です.
(引用終り)
以上