現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む62at MATH
現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む62 - 暇つぶし2ch472:眺めていて,以下のような疑問が沸いてきます: (A) 平行移動不変性を外せば,全ての部分集合に測度を定義出来ないか? (B) 選択公理を使って作られる集合は具体的に書き下せない.では,具体的に論理式で定義される集合は, どの程度複雑な集合までなら可測であり得るか? (C) 完全代表系は取れないが,測度論の初歩くらいなら展開出来る程度に選択公理を弱めたらどうか? それぞれ,順に見ていきましょう. 実は,射影集合よりも広く,順序数の可算列を使って定義出来る集合も V [G] では全て Lebesgue 可測とな ります.つまり,「定義可能な集合」のほとんどを可測とするには,せいぜい到達不能基数があれば十分とい う訳です(参照:不完全性定理).歴史的には,Solovay はこの到達不能基数の仮定を落とせると考えていたの ですが,10 年後に Shelah が上記の定理によって落とせない事を示した,というのが順番になります. (C)「選択公理を弱めたら任意の集合を Lebesgue 可測にできるか?」という問 題も,「到達不能基数の無矛盾性を認めるなら出来る」という答えが得られたことになります. つづく




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