現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む62at MATH
現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む62 - 暇つぶし2ch152:現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む
19/03/09 22:06:22.85 9Sqq12HI.net
>>118
渕野昌先生(^^
「基礎の公理を放棄することは, 超限帰納法を駆使する集合論的数学の大きな部分について, そのような数学での結果を,ユニヴァースの well-founded part に制限したときに成り立つ結果と読みかえる,ということを余儀無くされることを意味します.
私には,基礎の公理を放棄することで, この「超限帰納法を駆使する集合論的数学の大きな部分を放棄する」という 大きな犠牲の代償となるような数学的な何かが得られるようには思えないのです.」
URLリンク(fuchino.ddo.jp)
基礎の公理の成り立たない集合論 (non well-founded set theory) について
渕野 昌(Sakae Fuchino) Last modified: Sat Aug 13 14
(この文章はまだ書きかけです)
(抜粋)
基礎の公理 (Axiom of Foundation) は,
(1)
すべての集合 x に対し,x の要素で, ∈ (の transitive closure として得られる(前)順序)に関して極小なものが存在する
ことを主張するものです.この公理により,∈-列のループ(特に長さが 1 のループ x ∈ x)や, ∈ に関する無限下降列 x1 ∋ x2 ∋ x3 ∋ ・・・ が存在しないことなどが帰結されます.
基礎の公理は, 他の集合論の公理よりも遅れてスタンダードな公理系に組みいれられるようになったものです. そのせいか,数理論理学を専門としない人で,この公理には何か問題がある, と思っている方も少なくないようです.
他の集合論の公理が, 様々な集合の存在や, すでに存在している集合から新しい集合を構成するときの個々の構成原理の成立を主張しているのに対し, 基礎の公理は, 集合論の対象である一つ一つの集合に対し,(1) の性質を持たなければいけない, という制限を果している,と解釈することのできる公理になっています.
普通には基礎の公理を仮定した集合論が数学のベース理論として採用されているのは, 『数学を展開するための基礎としての集合論』, という立場からは, 基礎の公理を満たすような集合の全体の領域を出る必要がないことが, 判っている,と断言できるからです.
たとえば,自然数の全体 N や実数の全体 R, 実数から実数への関数の全体 …,などはすべて, このような基礎の公理を満たす領域の中で自然に構成できます (註 1).
つづく


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