18/10/02 18:35:03.21 QFpP0yDZ.net
>>261
> コーエンは努力を放棄して(主にカントールの)積み上げてきたものをぶっ壊した敗北主義者だった……?
理解力のない人だね、君って
何か勘違いしているみたいだが、カントール自身の集合論はラッセルの逆理で示されたように最初から矛盾してたので既に終わってたわけだが
その矛盾を解消するためにツェルメロが公理的集合論を創始し、
フレンケルが矛盾の発生原因としてツェルメロによって制限を加えられた内包公理をより強力だが安全な置換公理へと改めて公理系ZFCが生みだされ、
(他にもフォン・ノイマンの基底公理も追加)
更に選択公理ACの奇妙さが問題となりZFCからACを除いた公理系ZFを考えたりするようになったわけだ
この集合論の場合のように、新しく公理系を作る場合、可能な限り冗長性のない=互いに自分以外の残りの公理群とは独立な公理だけを選ぶのが数学での美的センスというものだよ
言い換えれば公理系を作り上げる時には最初から独立性に対する配慮や深い洞察が不可欠ということだ
このACは様々な不思議な(感覚的には納得し難い奇妙な)帰結を与えることが徐々に判明してきた
だからACが他のZFの公理と矛盾していないのか(奇妙な現象は矛盾の前触れではないのか)といった心配が起こり、この心配にはゲーデルが問題ないというお墨付きを与えた
また公理系のデザインでの独立性の観点からACが残りの公理群つまりZFと独立か?という根本的な興味(ユークリッド幾何での平行線の公準が他から導出できないか?という興味と同じ)に対して
肯定的な答えを与えたのがコーエン
そしてコーエンが創造した強制法という手段は実に強力で、選択公理の独立性だけでなく元祖カントール以来ずっと解決できなかった連続体仮説の問題に対しても独立だという証明を与えたわけだ
だからコーエンによる選択公理の独立性の証明は、そもそも公理系の各公理の独立性の保証という公理系集合論の開祖ツェルメロからの悲願に応えたものであってぶっ壊したわけでなく建設を完成させたのだ
「敗北主義」と呼んだのは普通の数学の難問に見える類の問題を公理系と独立か、と騒ぎ既存の数学での証明・反証�