18/05/28 05:43:21.42 envbjvN8.net
>>41
つづき
東へ進むのじゃ
30歳になったばかりの日曜日の午後、ふと、思い出していたのは、そんなことでした。
あぁ、あの頃考えていたようなことが、そろそろ実現できていないかなぁ。
コンピュータに、主人公の名前や、状況を設定するだけで、自動で面白い物語を生成するシステムとか、まだできていないのかなぁ。
試しにインターネットで検索してみましたが、そのようなソフトは見つかりませんでした。
そのとき、ある考えが、ふと、頭をよぎったのです。
「まだ、この世にないなら、自分でつくればいいじゃないか」
えっ?!
おっと、何をバカなことを考えたんだ。
プログラムなんか、自分で作れるわけないし・・・。
かといって、30代になって、今更、プログラムを一から勉強するなんて・・・
遅すぎるわ!
当然、そう考えましたが、どうしても、その考えが頭から離れません。
もしかして、これが天職?!
自分がなすべき運命の仕事って・・・
もしかして・・・ これ?
でも、今から、全くやったことのない事を始めて、それで生きていけるわけないよ。
でも、まぁ、勉強するくらいならいいだろう。今の仕事の役に立つかもしれないし。
と、そう自分に言い聞かせて、その日の夕方には、近くの本屋で、「はじめてのプログラミング」みたいな入門書を買って、わくわくしながら帰ってきました。
もし、これが本当に天から与えられた仕事なら、ピンチのときには、夢の中に、ダンブルドアのようなおじいさんが現れて「東へ進むのじゃ、ハリーよ」とかヒントを出してくれるのだろうと、呑気なことを考えていました。
つづく