18/04/12 17:32:10.14 crW12TLz.net
オクンコフ
日本 の数学の世代間の伝統と革新に ついて、
どういうバランス感覚 をお持ちですか?
中島
>去年、竹内(潔)さんが 日本語で D 加群の
教科書を出版されましたが、その中で
「D加群が発祥の国で理論がほとん ど
普及しなかったのは、まった く無念と
いう他はない」と書いています。
>三輪さんが退官 されてから、量子可積分系は京 都ではまったく知られていませ ん。
(一つの理由は研究者が京 都の外に広がって行ったからで すが。)
>それに可積分系を教 える講義もありません。
>同じよ うなことは、代数的位相幾何学 でも
おこりました。一時期、京 都で盛んでしたが、今では数人 の人しか残っていません。
>一方、代数幾何、数論、確率論や他の
分野は通常の講義で教えられて いて、
研究グループのサイズは 昔と同じか、
あるいは大きくな っています。
私が学生のときに は、シンプレクティック
幾何は ありませんでしたが、いまでは
東京と京都に強力なグループが できています。
>私が理解する限り、こういっ た変化と
維持は計画のもとに行 なわれているのでは
ありませ ん。
研究者の数は同じであるか、 減りつつある
一方で、シンプレ クティック幾何のような
新しく 生まれた分野の優れた研究者を 採用
しなければ、研究のレベル を維持すること
ができません。
その帰結として、ある分野は縮 小されることになります。